首位奪還へ足元からガッチリと固める。巨人岡本和真内野手(21)が、ヤクルト戦の4回に5試合ぶりとなる13号ソロを放った。詰まりながらも半端ない太さの足首で踏ん張り、左中間スタンドへと運んだ。4番の1発で打線は勢いに乗り、7得点の快勝。高橋監督が主砲に期待する「半端ない活躍」で借金は1に減り、4・5差の1位広島を追う。

 疑うことのない1発ではなかった。4回、岡本は打球を打ち上げると全力で一塁へと向かった。ヤクルト・ハフの内角高めカットボールに芯を外された。「詰まった」。バットから伝わった手応えはフェンスを越えないと思った。打球を見ながら一塁を勢いよく蹴る。だが、ボールは落ちてこない。そのまま左中間スタンド最前列へと飛び込むと、走りながら打球の落ちた先を3度見した。13号ソロに「びっくりしました。間を抜けると思ったけど、入ると思わなかった」。パワーが感触を上回った。

 足首からの半端ない力が飛距離を生む。小学生からふくらはぎから下が発達。「足首は半端ない太さだったと思う」と振り返る。中学時代、岡本の1学年上で奈良の橿原磯城シニアでプレーしたドラフト1位右腕鍬原は「あまりにも足首が太くて『象』ってあだ名がついたほど。ふくらはぎもぶっとくて、打球がめっちゃ飛んでいた」と証言する。両足で地面をグッとつかむことで下半身が安定。バットへ体重を乗せ、飛ばすことができる。

 予想を上回る本塁打に高橋監督も称賛の声を上げた。交流戦明けの今カード開始前、相手に「半端ない」と思わせる活躍を岡本に期待すると話した。詰まりながらも打球をスタンドへと運ぶ姿に「打ち方とか、バットの角度であったり、いろんなものがいいから、ああやって打球も飛ぶ。本人も自信になっているかなと思います」とうなずき、若き4番の成長をほめた。

 これでチームは2連勝で、勝率5割まであと1勝。主砲の半端ない勢いは、疑いようがない。【島根純】