ヤクルト“新・1番”の西浦直亨内野手(27)が、ひと振りで連敗を止めた。0-0のまま迎えた7回、下位打線が3連打でチャンスを作ると、2死満塁で西浦。カウント2-2から、巨人2番手沢村の150キロ直球に食らいつき、最後は左手1本で左中間に運んで走者一掃の二塁打。「なんとか起爆剤になれるようにと思っていた。無心だったので、よく分からない」と振り返った。

 全体練習が始まる直前に、小川監督から打順の変更を伝えられた。16年9月8日DeNA戦(横浜)以来、約1年9カ月ぶりの1番。「予想していなかった。それで、目が覚めました」。試合開始まで、残された時間はわずかだった。「プレッシャーを感じても、しょうがない。やっていることは、変えられない」と腹をくくって臨んだ。終盤に調子を落としていた交流戦後、タイミングを外されても左手1本でも拾える打撃フォームを取り入れた。「ポイントが前になるし、前に振り抜ける」とリーグ再開後の22日巨人戦では4打数4安打と一気に復調した。結果を重視して1番に起用した小川監督は「プレッシャーもあったと思うけど、よく打ってくれた。ここのところ、良い状態でバッティングができていた」と目を細めた。

 首位に輝いた交流戦後、初の勝利を挙げ、連敗を3で止めた。最下位も1日で脱出。「これをきっかけに、勝っていきたい」と頼もしい1番打者が誕生した。【保坂恭子】