日本ハムが拙守で自滅した。楽天11回戦(楽天生命パーク)は今季ワーストの1試合3失策を喫した。記録に残らないミスも相次ぎ、最大4点リードを守ることが出来なかった。2試合連続で欠場した西川、中島の穴を埋めきれず、リーグ戦再開最初のカード、楽天3連戦はすべて1点差で1勝2敗の負け越し。2年ぶりのリーグ制覇へ、踏ん張りどころがやってきた。

 ホッとした心の隙間に、魔が差した。5-5の8回2死二、三塁の守備。4番手の石川直が危機を脱した、はずだった。俊足の田中にゴロを打たせ、一塁ベース後方で中田が捕球。トスしようとしたが、ベースカバーに入るはずの石川直は走るスピードを緩めていた。あわてて中田が一塁ベースを踏みに向かうも間に合わず(記録は一安)。その間に三塁走者が生還。痛恨の決勝点を与えた。石川直は「自分が勝手に決めつけてしまった」と反省した。中田が、そのまま一塁ベースを踏むと思いこんだことが、ミスにつながった。

 守備は試合冒頭からバタバタしていた。3点を先行した直後の1回は、先頭から2者連続で石井一と杉谷が失策を連ね、1失点。5回は右翼を守った近藤の失策などでピンチを広げて2失点。8回もペゲーロの右翼フェンスギリギリの飛球に、二塁から右翼へ守備位置を変えていた杉谷が追いつきながら落球(記録は右安)。記録上は今季ワーストの1試合3失策も、数字以上にミスが続出。最大4点リードは泡と消えた。

 22日の試合で右足甲に自打球を当てた西川、左太もも肉離れで今日25日に出場選手登録の抹消が決まった中島が欠場。攻守で主軸の2人を欠き、存在の大きさを実感する1敗となってしまった。栗山監督は「申し訳ない。けが人がいる中で、いろんなところを(複数選手が)守れるようにやっているつもりだけど、そこは監督の準備が悪い」と、疲れ切った表情で振り返った。

 指揮官は西川については「大丈夫になると信じている」と、1軍同行をさせながら早期復帰を目指してもらう。中島については「無理させる時期ではない」と、大事な戦力だけに完治を優先させた。それでも、いるメンバーでシーズンは続いていく。多発したミスは、2年ぶりのリーグ制覇への糧とするしかない。【木下大輔】