小さな怪物が本家を打ち砕いた! 全パの西武森友哉捕手(22)のフルスイングがさく裂した。2点リードの1回2死一、三塁。マウンドには西武の先輩にもあたる松坂。「ホームランか三振でいい。ホームランを狙って打席に立ちました」と腹は決まっていた。高めに浮いた135キロカットボールを見逃さなかった。強烈なライナー性の打球を右翼ポール際に打ち込んだ。「打ったコースは全く覚えてませんが、感触は完璧でした」と悠々とダイヤモンドを周回した。

 スターぞろいの夢舞台で、大きな足跡を残した。3回にはメッセンジャーの高めの148キロを強引にフルスイング。ドライブがかかった打球で右翼線二塁打とした。インパクトのある2打席に工藤監督も「自分のスイングをできることが大事」と目を丸くした。

 MVPに選ばれ、賞金300万円を獲得。プロ2年目だった15年以来3年ぶり2度目の球宴で輝いた。「松坂さんはオールスター前から対戦したい投手だったのでむちゃくちゃうれしいです。一生の思い出になると思います」。高校時代は松坂と同じように甲子園に愛された。ともに西武ドラフト1位としてプロ入り。怪物の背中を追ってきた森友の自信が確信に変わろうとしている。【為田聡史】