本人もビックリの受賞だった。先制打を放った全パの源田壮亮内野手(25)がMVPに輝き、賞金300万円をゲット。前日の森友に続き、2試合連続で西武勢が選ばれた。「森の体をいっぱい触ったんで、運気が来たのかなと思います」と、おどけながら喜んだ。

 持ち味が出た。5回無死三塁で全セ内野陣は前進。「取りあえず、前に飛ばそう」と、岩貞の低めスライダーをバットに当てた。ボテボテだったが、しぶとく中前に抜ける適時打。さらに、一塁を回っても「行ける」とスピードを緩めなかった。送球の間で、一気に二塁へ。リーグトップタイ25盗塁の足を生かすと、次打者の甲斐の左前打で2点目のホームを踏んだ。

 隣県の大分出身で、熊本はなじみ深い。父親の実家があり、小さい頃は、よく訪れていた。両親をはじめ、10人以上の親戚が応援に駆け付け「良いところを」と臨んだ。2年前の地震の時は「親戚がたくさんいて、心配でした」。招待された、たくさんの子どもたちにも格好良い姿を見せると「お父さん、お母さんの言うことをちゃんと聞いて、ご飯をいっぱい食べて頑張って下さい」と呼び掛けた。

 前日の第1戦は、出場した西武野手陣6人のうち、唯一無安打だった。周りから「打っていないのは源田だけ」と言われてしまったが、第2戦でしっかり打った。「みんな調子良い。このまま、後半戦に入れればいいですね」と明るく言った。首位西武がオールスターを最高の形で締めくくり、後半戦に向かう。【古川真弥】

 ▼MVPは<1>戦森、<2>戦源田と、2試合とも西武勢が獲得。同一球団の選手でMVP独占は91年<1>戦古田、<2>戦広沢(ヤクルト)95年<1>戦落合、<2>戦松井(巨人)17年<1>戦内川、<2>戦デスパイネ(ソフトバンク)に次いで4度目。<1>戦で無安打だった源田が安打を放ち、西武は出場した野手6人全員が安打を記録。同一球団の6人が安打を放ったのは、06年阪神(シーツ、藤本、鳥谷、金本、浜中、赤星)以来だった。