ソフトバンクが、球団タイ記録となる1試合8本塁打のアーチ攻勢で首位西武に圧勝した。初回に2点を先行されたが、その裏、上林が西武多和田のフォークに崩されながらも右翼スタンドへ13号の先頭打者本塁打。内川の遊ゴロの間に同点に追いつくと、松田が左翼へ15号勝ち越し2ラン。さらに8番甲斐にも5号2ランと、いきなり3発6点で逆転した。その後も柳田の2発、中村晃、内川、7回には牧原のプロ初本塁打も飛び出した。今季最多の21安打、同じく最多得点の16点で山賊打線のお株を奪う猛打だった。

 工藤監督は前日15日にナインの前で「結果はオレが責任を取る。みんなで明るく元気に野球を楽しく真剣にやろう」と訓示した。球宴に出場した松田、柳田らも新聞などを通じてその思いを知った。松田は「監督が明るく楽しくと言われていた。球宴の2試合で僕もそれを感じた」と、球宴でノリノリだった熱男そのままに後半戦に突入した。

 1試合8本塁打は「ダイハード打線」と呼ばれた94年9月18日ロッテ戦(千葉マリン=現ZOZOマリン)以来24年ぶり。工藤監督は「みんなの中にも、うちはこんなところで終わるチームではないと思っていたと思う」と、前半戦3位で終わった悔しさを後半戦初戦で爆発させた。首位西武とは5・5ゲーム差。連覇はまだ誰もあきらめていない。【石橋隆雄】

 ▼ソフトバンクが8本塁打で16点の猛攻。ソフトバンクの1試合8本塁打は、ダイエー時代の94年9月18日ロッテ戦に並ぶ球団タイ記録となり、ヤフオクドームで1試合8本は初めてだ。1試合最多本塁打のプロ野球記録は9本(過去4度)で、8本以上は10年6月29日巨人以来15度目(延長戦を含む)だが、この日のソフトバンクは7人が本塁打をマーク。1試合に7人以上が本塁打を放ったのは89年5月31日阪神以来、29年ぶり6度目。ソフトバンクは過去6人が最多で、7人は球団史上初めて。