<オリックス3-2日本ハム>◇18日◇京セラドーム大阪

 日本ハムが、オリックスの攻めの継投に屈した。栗山英樹監督(57)は「いい投手がいっぱいいるのでね…」の先が続かなかった。

 6回の攻防が潮目となった。日本ハムが1点リードの状況で、まずオリックスが動いた。先発金子から沢田にスイッチされ、無得点に抑えられた。オリックスは追う展開でも惜しまず勝利の方程式をつぎ込み、小差の試合を拾うケースがままある。この時点で7回以降は吉田一、山本、増井のリレーが想定できた。点を取るのは難しい…日本ハムは1点を守る選択をした。

 慣れない左翼で出場していた横尾を交代。右翼の近藤を左翼へ、二塁の杉谷を右翼へ、二塁には石井一を配し守備を固めた。ただ、5回まで好投の村田が誤算だった。高めに浮いた直球をロメロ、吉田正に打たれ同点とされた。「2本のヒットは甘くなった。避けなければいけなかった」。流れを渡し、この回は決勝点まで奪われた。

 日本ハムにも宮西、トンキン、石川直という強力なリリーバーがいる。そこへつなぎたかったが、6回裏を守りきれなかった。吉井投手コーチは「1点差ゲームで6回からリリーフで逃げ切るわけには、いかなかった。そこが僕らの判断ミス」と振り返った。村田は右腕打撲から約1カ月ぶりの先発復帰。この日は5回で66球だった。スタミナ不足か、実戦勘不足か、球が浮いた要因は必ずある。

 守りながら攻める打ち手は、相手に脅威を与える。どのタイミングで強力なカードを切るか。ベンチの深謀がしのぎ合いの順位に直結してくる。【木下大輔】