日本野球に36年ぶりオリンピック(五輪)金メダルチャンスだ。国際オリンピック委員会(IOC)理事会が18日、スイス・ローザンヌで行われ、2020年東京五輪の野球・ソフトボールの日程や競技方式が承認された。3カ国ずつ2組の1次リーグを行った後、10試合の変則トーナメントを行う。最大3敗しても敗者復活で優勝できる方式は、投手力に優れたチームに有利。敗者復活から連覇を果たした第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の再現が期待される。

 伝統的に投手力に厚みがある日本に朗報だ。1次リーグは3チームずつの総当たり。順位付けした後に、全チームが変則的な決勝トーナメントに進む。試合数は最少で5戦5勝0敗なら当然優勝だが、最多で7戦4勝3敗でも金メダル獲得は可能だ。1次リーグを2位以上で通過すれば、純粋に「絶対に負けられない戦い」は決勝だけだ。

 一発勝負は何が起こるか分からない。04年アテネ五輪準決勝はオーストラリアに0-1で敗れた。後に阪神入りしたオクスプリングの好投にあい、ウィリアムス(阪神)への継投に屈した。ところが、WBCでは第1回が5勝3敗で優勝。第2回は7勝2敗で連覇を果たした。格下でも先発が一世一代の快投をする可能性はあるが、複数の強力先発をそろえることは、日本など強豪にしかできない。

 変則トーナメントについて侍ジャパンの井原敦強化委員長は「特に投手陣をどう割り当てていくか、稲葉監督、首脳陣が考えるところ。試合数によって戦略を立てるだけ。珍しいレギュレーションなんで考える」と話した。競技順はソフトボール→野球の順番に決まった。五輪期間中の公式戦中断を決めている日本野球機構(NPB)の斉藤惇コミッショナーは「私たちの希望通り。感謝します」。ソフトボールが開会式の2日前から始まるため、公式戦の中断は2日間延長される方向。準備を整え金メダルを目指す。【斎藤直樹】

 ◆過去の五輪ルール 予選で総当たりのリーグ戦を行い、上位4チームが決勝トーナメントに進出。準決勝、決勝と3位決定戦を実施した。