労組プロ野球選手会と日本野球機構(NPB)は2日、都内で事務折衝を行い、選手会は「現役ドラフトを最優先に協議したい」と伝えた。「現役ドラフト」とは、出場機会が少ない選手が他球団への移籍で出場機会を増やす制度。NPB側も話し合いを続けることに同意した。

 選手会は7月のオールスター期間中に臨時大会を開き、構造改革ビジョンを打ち出した。重点事項が移籍を活性化させる現役ドラフト。森忠仁事務局長(56)は「(90年代の)セレクション会議が実際機能しなかったのは何でかを考えると、プロテクト(獲得できない選手)の人数と認識している。話し合いはしてくれそう。実のあるものにしていければ」と話した。

 NPB側は調査、議論の継続を約束した。選手関係委員長の谷本修氏(阪神副社長)は「具体案があれば出してほしいと要望した。選抜会議がなぜ休止状態なのか実行委員会で議論しないと」。まずは過去の事例を研究した上で、プロテクトや移籍選手の対象を協議していく方向となった。

 プロ野球では、過去にも移籍活性化を目指した制度が存在した。野球協約第14章には「選抜会議」が定められ、実際に70~72年に行われた。後に大洋で活躍した左腕、佐藤政夫は巨人からロッテに移籍している。また、90年には「セレクション会議」が行われ、島田誠(日本ハム)と坂口千仙(ダイエー)など3件のトレードが成立。翌91年にも角盈男(日本ハム)と小川淳司(ヤクルト)が移籍している。同会議は98年ごろまで非公開ながら開催された形跡が見られるが、近年は休眠状態となっている。【斎藤直樹】

 ◆過去の移籍活性化策 70~72年の選抜会議は通称「トレード会議」とも呼ばれた。70年11月19日の第1回は東京・日生会館で行われ、1巡目は指名なし。2巡目で阪神鏑木悦純投手が大洋に指名された。1巡目は年俸プラス200万円、2巡目は年俸プラス100万円、3巡目は年俸同額が元所属球団に払われた。移籍対象は支配下選手の20%(プロテクトが80%)。90年3月の第1回「セレクション会議」は1軍33人と入団3年未満がプロテクトされ、移籍を希望した20人が対象だった。同年11月の第2回は各球団60人がプロテクトされ、希望した四十数人が移籍対象となった。

 ◆その他の主な協議事項 (1)FA権取得選手に対し8月15日に文書で球団内年俸によるランクを通知(2)選手の不祥事が続くため両者で対策を考案。