阪神藤浪が二刀流の活躍で大勝に一役買った。3点リードの3回1死満塁、田中健の真っすぐを左中間へ。衝撃の今季初安打、プロ2本目のアーチで敵地をどよめかせた。「レフトは越えるかなという感触があったので、一生懸命走りました。歓声が上がったので捕られてしまったのかと思っていたら、審判が手を回していたので驚きました」。

金本監督は満塁弾に「効きましたねというかね。(投球が)5回4失点だから、満塁ホームランで5回0失点だ」と独特の表現で褒めた。同学年エンゼルス大谷がメジャー20本塁打で沸かせたが、負けじと会心の1発だ。

本職の投球でも踏ん張った。この日昇格して、7月26日以来の先発。5回4失点で6月27日以来81日ぶりの3勝目を挙げた。「7~8回を投げていかないといけない。白星が全てではないけど、白星につながってよかった」。メッセンジャーと秋山が不振で2軍調整中で、逆転CSへ藤浪の力は不可欠。二刀流勝利を完全復活の日にしたい。

▼藤浪が3回に満塁本塁打。投手の満塁本塁打は99年にガルベス(巨人)が2本打って以来17人、19本目で、日本人投手は84年5月13日津田(広島)以来、34年ぶりになる。阪神では81年6月23日山本和に次いで2人目。山本和は広島戦の4回に川口から満塁弾を打ったが、本職の投手で5回1/3を投げ5失点で勝敗なし。阪神で満塁弾を放って勝利投手になったのは藤浪が初。