広島岡田明丈投手(24)がヤクルト戦で6回2失点と好投し、8勝目を挙げた。中9日と休養十分のマウンド。高卒ルーキー村上に2ランを許したが、最速151キロの力強い直球で要所を締めた。優勝マジックは対象チームに勝ったことで、一気に2つ減って「4」。リーグ3連覇に近づいた。

体力が有り余っていたのか、6回を投げ終えた岡田は小走りでマウンドを駆け降りた。この回でお役御免となったが十分なゲームメーク。チームの勝利につながり、満足げに振り返った。「練習からいい感覚だった。やってきたことができた。しっかり投げ切れた球が多かった。真っすぐでしっかり腕が振れていたから、変化球も生きた」。

前回から中9日のマウンド。野球用語でいわゆる「休み肩」が、今回はいい効果をもたらした。生命線の直球の走りが抜群。3回は2死三塁で山田哲をこの日最速151キロで空振り三振。4回2死一、二塁でも井野を内角直球で一邪飛に打ち取った。2回にルーキー村上に落差の少ないフォークを右翼スタンドに運ばれたのが、唯一の反省材料だった。

今季の同カードは青木、山田哲、バレンティンの2、3、4番に3割以上の被打率があったが、この日は9打数無安打の4三振。力でねじ伏せる場面も多かった。キーマンを完璧に封じ「(山田とバレンティンの)2人を抑えると、失点も少ないデータも出ていたので」と胸を張った。

中9日の期間は2度ブルペンに入って調整。「(体が)開かないように」とフォーム修正を加えていた。そこで球の走りが良かったことで、強気に攻めることができた。「そうしようと思っていたし、捕手とも話していた」。開幕4連勝も、夏場に白星が伸びなかった。剛球復活は、チームの今後を考えても朗報だ。

優勝目前で神宮も多くのカープファンで埋まった。緒方監督は歓声の中で三塁側フェンス沿いに歩き、岡田を「打者を差し込むことが多かった。間隔が空いたこともあるかもしれない。制球を乱すことなく、球に力があった」とたたえた。今日17日から3日間の練習日が続き、20日からマツダスタジアムで9連戦。本拠地胴上げが、刻一刻と近づいている。【大池和幸】