西武の秋山翔吾外野手(30)が、今季自身5本目の先頭打者本塁打で山賊打線に火をつけた。カウント2-1から日本ハム先発加藤の139キロ直球を左翼席へ。節目の20号を「珍しく打った瞬間、手応えがすごくよかった。先制点は大きい」と振り返った。

マジックが点灯し初めて迎えた試合。ソフトバンクに3連勝した勢いのまま、2回に浅村の28号2ラン、5回に山川の42号ソロで追加点。硬さはなく、勢いは変わらなかった。8年目の秋山も、初めての優勝争いを経験するシーズン終盤だが「マジックがついても、普段通りできたことは良かった」。試合前、橋上作戦コーチに「マジックはどう減らすんですか?」と質問した。返答は「マジックは消えるもの。(残りが)片手にならないと、勝敗は気にならないよ」。自然体に、いつも通り臨んだ。

メモリアルな1発でもあった。山川、浅村、中村に次いで20号に到達。西武で20本塁打以上の打者が4人そろったのは、08年以来10年ぶり8度目。日本人選手オンリーでの達成は球団史上初だ。さらにこの1点がチームの今季719点目となり、04年を上回って球団最多得点を更新した。辻監督は「よく打っているということ。すごいですよ」と目を細めた。

5連勝でマジック10。秋山は「まだ何も成し遂げていない。この先も、大事な試合が続くので」と言った。獅子が、頂上まで駆け上がる。【保坂恭子】

▼秋山が初回先頭打者本塁打でシーズン20号。今季の西武はすでに山川、浅村、中村が20本塁打以上。チームの4人が20発以上は、西武では5人が記録した08年(中村、ブラゼル、中島、G・G・佐藤、ボカチカ)以来8度目。日本人選手4人がマークしたのは07年巨人(高橋由、阿部、小笠原、二岡)以来で、球団では初めて。