2位死守だ! ソフトバンクが苦手の日本ハム戦で4点差を逆転し、3連勝を飾った。7-7で迎えた8回に中村晃外野手(28)が決勝タイムリーを放ち、乱打戦に決着をつけた。3位日本ハムに4ゲーム差をつけ、逆転優勝にも望みをつないだ。

中村晃らしい打球だった。同点の8回2死満塁。日本ハム宮西の外角直球を左前へライナーではじき返す決勝の勝ち越し適時打。「(狙っていたのは)逆方向ですね。スライダーも直球も対応できるような意識でいた。今年の宮西さんはめちゃくちゃ制球がいいので」。左殺しの宮西を苦手にしていた。15年8月28日に安打を放った後は15打席無安打(1四球)。今季もここまで5打数無安打と封じ込められていた。「大事な場面で打ててよかった」。乱打戦に決着をつけ、自らの苦手意識を払拭(ふっしょく)する一打となった。

中村晃が「絶対に負けられない」と話した通り、打線が粘り腰を見せた。初回に先発武田が4失点。その後、お互い2点ずつを取り合った6回には、打者10人で5点を奪い逆転した。この日も捕手2人制にもかかわらず6回に甲斐に代打を送った。工藤監督の執念の采配だった。「崖っぷちの状況だが、だからこそ、ひとつになれている」。柳田、今宮抜きでもチーム一丸で戦っている。4番デスパイネは復帰後初安打を放った。さらに6番のグラシアルに「自信を持っていけ! 走者をかえせ!」と気合を入れるなど、ベンチ内でも外国人たちの士気を高めた。

西武に3連敗した後、3連勝。試合がなかった首位西武とは6ゲーム差に縮めた。残りは16試合。中村晃は「全勝するつもりで戦っている。(27日からの3連戦で)西武に勝たないといけない」と、逆転優勝へ気持ちは折れていない。2位を争う日本ハムには5連勝で4ゲーム差に離した。もちろん2位で終わるつもりはない。最後まで戦い続ける。【石橋隆雄】