通算1000投球回とともに13勝目を手にした西武菊池雄星投手(27)は、女房役に感謝した。

「ストライクを投げるのに精いっぱいの時期も長かった。その中で銀さん(炭谷)とメインに組んできて、怒られることも、注意されることもあったけど、成績を出せた。感謝です」

あまりにも酷なコンディションから始まった。試合前からの雨で、マウンドは早くもグシャグシャ。最初の投球練習で、すぐにフォーム修正を決めた。足元がぬかるむため、走者がいなくても足を上げずに、クイック気味に投げた。構えた時の両足の幅を広めに取り、バランスを保とうとした。それでも「土でスパイクの歯がない」状態では制球が定まらない。初回先頭から四球、死球。1死から井上のライナーを右翼金子侑が後逸(記録は三塁打)して2失点。視界が悪すぎて外野手にも酷だった。もう1点を失い、追いつかれた。

女房役が踏みとどまらせてくれた。ベンチで炭谷から「気持ちだけは切らすな」と言われた。2回は3者凡退。3回からは雨脚も弱まり、投げ終わりで左足をパーンとはね上げる良い時の姿も出た。7回6安打4失点にまとめた。

優勝マジックを1つ減らして「8」。優勝は最短で、27日のソフトバンク戦だ。菊池の次回先発は、同日からの3連戦。いよいよ大一番を迎える。プロ入り以来、未勝利の難敵に勝って優勝の青写真も出てくる。「勝つしかない。1年の全ての思いを次にぶつけたい」。機は熟した。【古川真弥】

▼通算1000投球回=菊池(西武) 21日のロッテ23回戦(ZOZOマリン)の4回、井上を三振に仕留めて達成。プロ野球352人目。初投球回は11年6月12日の阪神4回戦(西武ドーム)。

▼西武は14日楽天戦から7連勝となり、この7試合の得点は10→11→8→8→7→12→7。7試合連続で7点以上は14年7~8月にヤクルトがプロ野球タイ記録の8試合連続をマークして以来史上7度目となり、西武では初めて。ヤクルトは5試合目が黒星で、オール7点以上の7連勝は50年10月松竹、51年7~8月巨人、04年6月ダイエーに次いで史上4度目。