初出場の北海道ガス(北ガス)が、室蘭シャークスを3-2で下した。0-2の6回無死一、二塁で4番寺田和史(23=東北福祉大)が逆転の右越え3ランを放ち、勝利を引き寄せた。初陣での本大会(11月1日開幕、京セラドーム大阪)出場へ、好発進した。

発足からわずか半年。大卒、高卒1年目だけの16人で、元プロ選手をそろえる難敵から1勝をもぎ取った。室蘭シャークス下川原駿(24=日体大)の低め変化球に食らいつき、右手1本で右翼スタンドまで運んだ寺田は「うまく体を残して振れた。監督の指摘通り」と喜んだ。

初の公式戦となった8月26日の結成記念大会で、チームは逆転勝利を挙げるも、4番の寺田は4打数無安打に終わっていた。この日は小島啓民監督(54)が“定位置”の三塁コーチスボックスから1球ごとに「力むな」とアドバイス。気負ってフォームが崩れていた主砲の硬さを、シンプルな言葉で解きほぐした。

「いいところで寺田が打ってくれたし、エース清水も野手も、しっかり役割をこなしてくれた。出来すぎ」と同監督。スタンドには社員や選手の家族ら約200人が集まり、社員とその知人らで結成した十数人の即席ブラスバンドも後押しした。残り2戦。産声を上げたばかりのフレッシュ軍団が1年目での全国切符を目指す。【永野高輔】