ソフトバンクが5連勝を決めた。16日の西武戦前に頭部に打球が当たり、脳振とう特例措置で出場選手登録を抹消されていた柳田悠岐外野手(29)が7試合ぶりに「4番中堅」で出場。2安打で復帰した主砲を祝うように、5回にジュリスベル・グラシアル内野手(32)が2試合連発の決勝8号ソロを放つなど日本ハムに快勝した。17日に西武に優勝マジックが点灯してから負けなし。優勝の可能性が消えるまで食らいつく。

勝利の輪に柳田の笑顔が戻った。16日に頭部に打球が直撃してから、7試合ぶりの復帰戦で2-0の快勝。5連勝で西武の優勝マジック減少を阻止し「負けなくて良かった。ピッチャーのみなさんのおかげです。やっぱり疲れますね、野球は」とギータ節で喜んだ。

脳振とう特例措置を受け、17日に登録を抹消された。復帰プログラムを完了して臨んだ試合。背中に大きく「V」の文字が入ったTシャツ姿で球場入りし「(頭は)痛いのは痛いけど、医者が大丈夫というので大丈夫でしょ。休んでいたので体は元気です」と言った。いきなり「4番中堅」に入り、3番グラシアル、5番デスパイネに挟まれる分厚い中軸が組み上がった。

存在感は別格だった。初回に左前打を放ち、塁上で不敵に笑った。3回1死二塁では追い込まれるも、全力疾走の内野安打でつないだ。「チームもいい流れなので、最低限はやろうと。足を引っ張らんようにやるだけかな、と思っていました」。万全の状態でなくとも、4打席で2安打1四球と十分な仕事をした。

グラシアルは決勝弾。デスパイネも2点目につながる二塁打を打った。工藤監督は「(打線に)厚みも出てきたしバッテリーは柳田くんを一番警戒する。点につながることも増えていくと思う」と手応え。加えて「彼が入るとまたベンチも明るくなる。マッチ(松田宣)、(川島)慶三、福田とみんなでワイワイやってもらえたら」とバット以外の面にも期待した。

西武が1度敗れれば自力優勝が復活する状態をキープし続けている。工藤監督は「今日が終われば、また明日勝つためにどうしたらいいか。どこにも負けられない思いで1つずつ、しっかりやっていきます」。復帰した主砲とともに、希望が消えるまで食らいつく。【山本大地】