最高のフィナーレへ向けて-。西武は26日、松井稼頭央外野手(42)の今季限りでの引退を発表した。今日27日に会見を行う。テクニカルコーチ兼任で、今季15年ぶりに古巣復帰。出場機会は限られたが、全身全霊でチームのために働いてきた。仙台遠征中の前日25日に、自らの口で後輩たちへ引退の意思を伝えたという。菊池は「最後に優勝して、最高の形で送り出せるように頑張ろうという話になりました。何としても、勝ちたいですね」と思いを語った。

“最高の形”とは、10年ぶりの優勝はもちろん、本拠地で優勝を決めることを意味する。今日からメットライフドームで2位ソフトバンクと直接対決3連戦。優勝マジック5で臨むため、2勝1分け以上で優勝が決まる。ただ、同カードが今季ラストの主催試合。1敗でもすれば、優勝の瞬間はビジターで迎えるしかなくなる。

98年以来20年ぶりのホーム胴上げへ、先発の先陣を切るのは郭俊麟。西武第2球場で前日練習を終えると「10連勝の流れを切らさないように、自分が投げる試合で勝つことに集中したい」と意気込んだ。第2戦を託された菊池は「(本拠地胴上げをしたいのは)当然。10年間、悔しい思いを共有してきたファンの皆さんと一緒に決められれば」と決意をにじませた。

準備は着々と進んでいる。ビールかけ会場として、球場前の駐車場にテントが張られ、地面にはブルーシートが敷かれた。球団担当者は「1敗した時点で撤去するかも知れません」と言ったが、そうならないことを望むばかり。ビールは約3000本を用意する。20年前の優勝決定試合でショートを守ったのは若き日の松井だった。「稼頭央さん」と再び歓喜の時を、みんなでつかむ。【古川真弥】