巨人が、今月25日に行われるドラフト会議で大阪桐蔭・根尾昂内野手(3年)を1位指名の筆頭候補に挙げていることが分かった。

5日、東京・大手町の球団事務所でスカウト会議を行い、指名候補者を検討。高橋監督の辞任に伴い、ドラフトまでにフロント体制の見直しも図られるが、投手で最速150キロ、遊撃手で超高校級の逸材をポスト坂本勇として捉えており、評価は一貫して高い。プロ志望届の提出を決断した金足農・吉田輝星投手(3年)も候補として残しつつ、根尾を中心に絞られていく可能性が高い。

名門復活を志す巨人の近未来の予想図に、根尾の名前が描かれている。ドラフト会議まで約3週間。高橋監督の今季限りでの辞任が表面化し、最終盤戦で揺れている。そんな渦中でも、大阪桐蔭の二刀流への評価は一貫して高い。ポスト坂本勇として、1位指名の筆頭候補に挙がっている。

来季30歳を迎える坂本勇の後継者育成は、再建の根幹に関わる。大黒柱は10シーズン以上も正遊撃手を託されてきた。唯一無二の存在だが、今季は左脇腹肉離れで離脱するなど、肉体への負担も高まっている。昨季まで三塁手が主だった岡本は、今季は一塁手となり、将来の「サード坂本」への転向プランも整えつつある。長年不在だった正二塁手に吉川尚が台頭。攻守にバランスが取れた内野布陣が組み上がりつつあるが、数年後の遊撃手だけ輪郭がはっきりしていない。

根尾の存在は将来の構想に合致する。投げては最速150キロで2年連続センバツの優勝投手。打っても高校通算32本塁打で、今夏の甲子園で3本塁打を放つなど突出している。二刀流を操った高い身体能力を土台に、遊撃手としての技量もさらに高められる。坂本勇の後釜に、最適な逸材だ。

一方で今夏の甲子園でフィーバーを起こした金足農の152キロ右腕、吉田への評価も高い。岡崎スカウト部長はプロ志望届の提出を決断したことを受け「もちろん、いい投手だと思う」と短い言葉で評価した。甲子園後の「巨人が好きです」という若武者の発言に、山口オーナーも「話の流れで出たことですが、我々としてはありがたいこと」と好意的に受け止めている。

ドラフト会議を前にフロント体制の見直しを図ることが決まっている。最終的には直前に新体制が1位指名を決断することになり、現段階では流動的な部分も多い。また、チームの編成を考慮した上で最上位指名が投手か野手を慎重に見極める必要もある。だが一貫して評価が高く、熱視線を送ってきた根尾の存在は抜けている部分もある。競合必至の目玉の指名に、踏み切る可能性は十分にある。