楽天が25日に行われるドラフト会議で大阪桐蔭・根尾昂内野手(3年)を1位指名の筆頭候補に挙げていることが7日、分かった。

高校通算32本塁打のパンチ力を持つ遊撃手、投手で最速150キロをマークする二刀流への評価は一貫して高い。すでに1位指名を表明している中日、指名の有力な巨人との競合となる超高校級に狙いを定めた。

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楽天が、大阪桐蔭の二刀流・根尾を1位指名の最有力候補に挙げていることが判明した。関係者の話を総合すると遊撃手、投手としてだけでなく、外野もこなす根尾のユーティリティーさと将来性を高く評価しており、これまでも動向を注視してきた。将来の球団の顔となる存在として、熱視線を送っている。

正遊撃手の固定が、長年の課題だった。3年目の茂木は早大時代、三塁が主戦場で、プロで初めて遊撃に挑戦。守備への負担も大きく、昨オフには右肘を手術。慢性的な痛みを抱えており、平石監督は以前「いろいろトライはしてもらおうと思っている。茂木を生かすために」と二塁、外野へのコンバートプランを明かした。

現在は大卒1年目の山崎が遊撃に入ることが多いが、もともとは二塁手。茂木と同様にプロ入り後、初めて遊撃に挑戦した。勝負強い打撃をより生かすため、二塁で育成させたい考えがある。三塁、一塁をこなす内田が5年目の今季、キャリア初の2桁本塁打を放ち、一塁の銀次も健在。だが、数年後の遊撃手だけが見えない。根尾は適材と考えられる。

現時点で、二刀流を容認するかは不明。だが、エンゼルス大谷が所属していた日本ハムと同じパ・リーグの球団。可能性は0ではない。根尾は先日の福井国体後に「(二刀流を)やりたいとは言っても、それで取ってもらえるかどうかは分からない。話を聞いてみて、だと思います。ピッチャー、内野、外野、どこをやるか分かりませんが、どこを守ってもチームの勝利に貢献したい。長くやりたいと思います」と柔軟に対応する姿勢を見せていた。

東北の球団として金足農(秋田)吉田輝星投手(3年)を推す声もあったが、正遊撃手候補の獲得、育成が最優先事項と判断されたようだ。超高校級二刀流は巨人や1位指名を公表した中日など他球団との競合が避けられない。覚悟の上で、踏み切る。