新旧4番が結束だ。広島ナインは16日、巨人とのファイナルステージに向けて、マツダスタジアムで最終調整を行った。全体練習中、4番鈴木とベテラン新井が二塁ベース上で話し込む姿が見られた。練習後はともに「世間話」と内容は明かさなかったが、2人だけの特別な時間が流れた。

昨年はDeNAの前に苦杯をなめた。新井は現役最後のCSを前に「かわいい後輩たちと1日でも長く野球したい。1日でも長くカープのユニホームを着てグラウンドに立っていたい。ファンの方にも喜んでもらいたい」と語った。昨年と同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。鈴木は「(新井とプレーする時間は)残りわずかだと思うので、勝つことが一番。最後までやれたらいい」と日本一を花道とすることを誓った。

過去2年のCSを振り返ると、4番の成績がチームの結果を左右した。4番が打点を挙げた3試合は2勝1敗。一方で打点なしの6試合は2勝4敗と負け越している。16年は新井が主に4番としてチームをけん引したが、鈴木を欠いた昨年は4番を固定できず敗退。4番のバットがチームの流れを分けると言っても過言ではない。

期待がかかる中でも、鈴木は「自分が決めるというよりも、とにかく塁に出ること。後ろにつなぐ意識でいる」とチーム打撃を最優先に考える。それは後ろ姿から学んだ新井イズムでもある。「今年は絶対に、新井さんと日本一になりたい」。4番を継承した新井とともに。鈴木がバットでCS突破に導く。【前原淳】