「矢野流改革」第2弾はトリと面談! 阪神矢野燿大新監督(49)が20日、今季レギュラーの座を失った鳥谷敬内野手(37)と話し合いの場を持つことを明言した。生え抜きスターは18年開幕を二塁レギュラーで迎えながら、状態を上げられないまま出場機会が激減していた。勝負の1年となる来季へ、挑戦したいポジションなどもヒアリングして、復活をアシストしていく。

矢野新監督は早くも、鳥谷再生プランをイメージしていた。どのポジションで勝負したいのか。「それはやっぱり、聞くよ。トリに」。復活に懸ける覚悟を、膝と膝を突き合わせて受け止めるつもりだ。

「自分が何をしたいかは、すごく大事だと思う。俺がここをやれとか、ああやれって言うのではなく、選手自身がどうしたいか。フミ(原口)もそう。本人が捕手をやりたいと言って、挑戦しているんやから」

鳥谷は18年、苦悩の1年を過ごした。三塁に本格転向した17年は打率2割9分3厘と復調を遂げ、ゴールデングラブ賞も獲得。そのまま三塁で開幕戦を迎えるかと思いきや、2月の沖縄キャンプ中に二塁転向を告げられた。慣れないポジションへの適応に苦しみながら開幕に突入。不振から抜け出せず、レギュラーの座を失った。

来季は間違いなく勝負の1年になる。だから新指揮官は復活をアシストするためにも、本心を聞いておきたいのだろう。今季終盤2年ぶりに守った遊撃でもう1度勝負したいのか。二塁や三塁で糸原、大山らと争うのか。それとも他のポジションで生き残りを懸けるのか。まずは鳥谷の思いに耳を傾ける。

「もちろん、それが違うポジションに替わることもあり得るだろうけど。それはそれで、替わったことがダメというわけではない。やっぱり、自分がどうしたいか。自分のプロ野球人生やから。それがチームとマッチするようにこちらからも提案をしていく部分もあるけど、基本的には、そういうふうに聞いてやっていきたいなと思っている」

前日19日には来季の守護神候補に藤川の名前も加えた。さらに鳥谷再生にも尽力する。17年ぶりの最下位からの大逆襲には、若虎だけでなく中堅、ベテラン全選手の力を結集する必要がある。矢野阪神が、対話路線から巻き返しを図る。【佐井陽介】