第3次・原ジャイアンツが今日23日、船出を切る。22日、巨人は来季のコーチングスタッフを発表した。この日、監督の座だけ空欄だったが、今季限りで辞任する高橋監督に代わり、原辰徳氏(60)の就任が決定的。23日に山口オーナー、高橋監督と同席して都内で会見に臨むことになった。01年の長嶋監督退任と原監督就任の同時会見のように新旧指揮官が同席し、思いを語ることになりそうだ。

原氏を支えるスタッフは一新される。今季1軍首脳陣で留任するのは吉村打撃総合コーチのみ。投手総合コーチに宮本氏、投手コーチに水野氏、バッテリーコーチに相川氏が就き守りの野球を構築する。井端内野守備コーチが強い辞意で退任することで元木氏が内野守備と打撃コーチを兼任することになった。また現役時は「神の足」と称され、球団歴代3位の228盗塁、代走で通算132盗塁で歴代1位を誇る鈴木尚広氏(40)が外野守備走塁コーチを務める。次世代レギュラー候補、重信は球界屈指の俊足ながら今季6盗塁、成功率6割にとどまるなど課題も抱える。鈴木氏の指導で才能開花が期待される。

従来の枠組みにはとらわれない。1軍ヘッドコーチを置かず、ファームのコーチ陣は2、3軍に振り分けずに包括的に指導するとみられる。FA戦士として活躍した村田、杉内も幅広く若手を鍛錬していく。原氏は10日に就任要請を受けた時に「最後の最後まで戦い抜いた後に、お話ししたいと思います」と再建への思いは封印していた。名門の危機に、ついに号令を発する。【広重竜太郎】