異色の経歴から、プロの世界を目指す選手がいる。履正社スポーツ専門学校の玉村欣梧捕手(21=大体大浪商)は、午前8時半から午後4時ごろまで、平日は毎日学校で野球漬け。ここでは野球が「授業」だからだ。

指導陣には、元阪神の岩田徹氏や亀山努氏ら。「岩田さんには配球や捕ってからのスピードについて教えてもらい、亀山さんからはバッティングの指導をしてもらいました」と玉村はすでに“プロの世界”を体感している。

大体大浪商卒業後、1度は別の専門学校へ入学したものの環境が合わず。進路に悩んでいた時に、履正社スポーツ専門学校の森岡正晃監督(56)から「もう1回、ゼロから野球に対して向き合ったら?」と言われたこともあり入学を決めた。提携するタイガースアカデミーでは、玉村自身が小学生を指導する経験も得た。リラクセーションマッサージの資格も取得している。

高校通算30本塁打のパワーヒッター。「体を作らないと話にならない」と入学後はウエートトレーニングに積極的に取り組み、プロテインについても独学で勉強。体重は入学時より14キロも増えた。「かかるか不安は残っています」とドキドキしながら待つ運命の日。たどってきた道が、夢につながっていたと証明したい。【磯綾乃】

◆玉村欣梧(たまむら・きんご)1996年(平8)11月30日、大阪・泉佐野市生まれ。日新小4年から泉佐野レッドスターズで野球を始め、大体大付属中では野球部に所属。大体大浪商では2年秋からベンチ入りし、最高成績は府8強。50メートル6秒3。遠投105メートル。172センチ90キロ。右投げ右打ち。