今日25日に開催される「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で1位指名競合が確実となっている大阪桐蔭・根尾昂内野手(3年)が24日、大阪・大東市内で取材に応じ、ショート一本で勝負する可能性に言及した。高校では投手と野手の「二刀流」で活躍したが、運命の日を翌日に控えたこの日「自分の中ではショートでいきたい気持ちがあります」と話した。すでに中日、ヤクルトは1位指名を表明していたが、この日は巨人も公表。95年福留孝介、17年清宮幸太郎と並び、高校生最多タイの7球団競合となる可能性がある。

根尾が運命の1日を迎える心境を素直に言葉にした。「目標としてきたところなので、わくわくしている半面、どこに行くか分からない不安があります」。これまで中日、ヤクルトが1位指名を公表していた。さらにこの日、巨人も明言。1位重複確実な状況を自身も把握しているが「まだ候補として挙がっているだけで分かりませんが、ドラフトに向けてできることをしっかりやっていきたい。現時点で評価していただいているのは光栄なこと」。控えめに喜ぶあたりが根尾らしかった。

野球人生の大きな転機を迎えることになりそうだ。高校3年間は投手と野手の「二刀流」として活躍。通算32本塁打を放つ一方、今年9月に行われたU18アジア・ワールドカップ(W杯)では、自己最速の150キロを計測した。根尾は同大会終了後「ショートに絞ったつもりはない。もっと練習を積んでいってからじゃないと決められない」と二刀流続行の可能性について話していた。だが、この日再び聞かれると「自分の中ではショートでいきたい気持ちがあります」。プロでは遊撃手で勝負する思いをのぞかせた。

1位指名を公表している巨人、中日が二刀流容認の方針を示し、もちろんショート一本となるかは交渉権を獲得した球団の考えもある。「指名していただいた球団がどういう評価をしてくれるか。投手をやりたいと言って、できるわけではないので話をしたいです」。赤い糸で結ばれていた球団の意向を聞くつもりだ。

「一番強いところに入るのが、一番の道だと思って入りました」と高卒プロ入りを目指し、大阪桐蔭へ入学。その強豪で甲子園春夏連覇を成し遂げた。そしてドラフトでは、高校生最多タイの7球団競合の可能性がある。「入ることが目標ではないので、プロで他の選手に負けないようにやっていきたい」。夢見てきたプロの世界へ、節目の日を迎える。【磯綾乃】