日本ハム栗山英樹監督(57)が4日、ドラフト1位指名した金足農(秋田)の吉田輝星投手(17)に対し、歓楽街禁止や、外出時の申告義務(どこで、誰と)を課す“大谷ルール”の順守を、すでに要請したことを明かした。

同ルールは同じく高卒で12年に入団した大谷翔平投手(現エンゼルス、24)をきっかけに始まり、清宮幸太郎内野手(19)にも適用されている。

栗山監督が早くも手を打っていた。ドラフト会議翌日の10月26日。指名あいさつのため訪れた金足農で「今から1年目がすごく重要だと思うから」と同校野球部の渡辺校長や中泉監督に“大谷ルール”順守への協力を要請。野球に集中できる環境を早い段階から作り上げる。大谷が高卒で日本ハムに入団した際、栗山監督の一声で始まった取り決めで、いきなり大金を手にした未成年が道を踏み外さないよう、教育的側面が強い。「監督さんにも、校長先生にも『もう勝負は始まっています。誘いを突っぱねて練習に集中させてあげたり、いろいろなことを取り除いてあげないと』とお願いした」。その場に同席していた吉田が「それは、いいかもしれまんせんね」と前向きだったことに手応えを感じている。

歓楽街ススキノからも当分は足が遠のきそうだ。「翔平(大谷)は本当に外に出なかった。こだわりや、集中力、マイペースさが、あそこまでになった要因でもある」と栗山監督。野球で成功することこそ「男としてのやりがい。本当に楽しいことは何か、という価値観の問題だよ」と訴えた。【中島宙恵】