FA交渉権解禁日の15日、広島丸佳浩外野手(29)の獲得を目指すロッテが、さっそく動いた。林信平球団本部長が丸の代理人を通して、獲得の意向を正式に通知。あらためて球団のリーダーになりうる逸材と高評価し、週明け以降の直接アタックに備えた。

丸とのFA交渉解禁日を迎え、ロッテ林球団本部長は即、代理人に電話を入れた。視察に訪れた千葉・鴨川秋季キャンプで「今日、丸選手のほうに正式に、うちに獲得の意向があると伝えさせていただきました」と明かした。現在は返事待ちの状態で、日取りやアポイントの詳細は未定。「次の動きは20日以降になりそう」と腰を据えてじっくり交渉を進める構えだ。

4年20億円規模の契約を用意しているが、ライバルの巨人は5年30億超ともいわれる。金額よりも「うちは誠心誠意。かつての井口監督のようなポジショニングになることを期待している」と若手の精神的支柱の役割も期待。リーダー、将来の幹部候補として“監督手形”を用意するプランもあるとみられる。

丸は鴨川市の隣、勝浦市の出身。この日、球場には勝浦沖であがった真っ赤な「コイ」ならぬタイが差し入れられた。井口監督は「何とか来てもらえるように交渉したい。いろんな話をする機会があればさせてもらいたい。うちのリーダーとしてやってほしい。だからこそ、なかなかFAをとりに行かないロッテがとりにいっている」。丸を重ねるかのように立派なキンメダイを手にし「大物だね」とうなずいた。【鎌田良美】