FA宣言した5選手の来季所属先が7日、決まった。※金額は推定

広島丸佳浩外野手(29)今季推定年俸2億1000万円、ランクA

30日、巨人入りを表明

【巨人】

15日に代理人と連絡。5年契約、出来高払いを含め総額30億円超とみられる史上最大級の条件と背番号「8」を用意している模様

24日、都内のホテルで原監督と石井球団社長と初交渉。交渉時間は明らかにされなかったが、直接ラブコールを送った原監督は「ジャイアンツとして、そして監督として、誠意をお話しすることが出来ました。あとは吉報を待つという心境でございます。内容に関しては、今はまだ伏せておきたいと思います」と話した

25日にマツダスタジアムで取材に応じ、結論については「まだ考えている」と明言を避けた。巨人との交渉について「本当に誠意を持ってお話ししていただきました。よりプレーに専念できるようなサポートできる態勢を整えるということも言っていただいた」と内容の一端を明かした。原監督から「ジャイアンツに新しい血を入れてくれ、カープでやったいいことをジャイアンツに持ち込んでやってもらいたい」と口説き文句も明かした。

30日マツダスタジアムを訪れて巨人移籍を表明。「ジャイアンツにお世話になります。理由はいろいろあるが、最終的に野球選手、野球人として環境を変えて一から勝負したいと思った」。29日の夜に決断し、この日の朝に巨人原監督に連絡。同じく獲得交渉していたロッテ井口監督にもこの日に断りの連絡を入れたという。巨人は丸に原辰徳監督らが背負った背番号「8」、高橋由伸前監督や中畑清氏ら付けていた「24」を提示する方針

【ロッテ】

15日に代理人と連絡。日取りは未定だが交渉には井口監督も同席の予定。地元・千葉のスターに4年20億円規模の契約を用意。金額よりも「うちは誠心誠意。かつての井口監督のようなポジショニングになることを期待している」(林球団本部長)と若手の精神的支柱の役割も期待。リーダー、将来の幹部候補として“監督手形”を用意するプランもあるとみられる

22日、都内のホテルで井口資仁監督、林球団本部長、山室晋也球団社長ら5人と40分間の初交渉。当初4年20億円だった条件は6年総額25億円規模に上積みして提示。井口監督からは「若い選手たちを引っ張って、リーダー的存在になってほしい」と話され、丸は練習環境や施設の利用可能時間などについて質問。翌23日は広島ファン感謝デーで丸は「(ロッテから)熱意を感じましたし、一緒に千葉を盛り上げようという話もいただきました。僕としても残留したいという思いもありますし、ただ僕1人で決めることではない」とコメント。24日の巨人との交渉後に去就を決断する可能性に「あります」と話した

24日、井口監督は名球会のイベントで取材に応じ、丸の入団が決まれば自身の背番号6を譲る意向を示した。「ひっくり返せば(丸が今つけている)9ですから」と話す

【広島】

19日、マツダスタジアム内で1時間、再交渉。最大4年17億円の条件に上積みはなかった

30日、鈴木球団本部長は、丸の巨人移籍を受け「ものすごく痛い。穴は埋まらないがカバーしてもらいたい」と話し、FA補償については「まずは(巨人から提出されるプロテクト選手の)リストを見て、それなりの選手がいればいくと思う。1年でも活躍できるなら(年俸が)高くても問題ない」と基本的に金銭より選手を求める考えを明かした

広島から巨人への移籍を表明し、取材に応じる丸佳浩外野手(中央)(マツダスタジアム=共同)
広島から巨人への移籍を表明し、取材に応じる丸佳浩外野手(中央)(マツダスタジアム=共同)

西武炭谷銀仁朗捕手(31)今季推定年俸1億1000万円、ランクB

23日、巨人移籍を決断。24日、巨人入りを表明

【巨人】

16日、初交渉。宮崎キャンプ参加中の原監督とは対面できなかったが、大塚球団副代表兼編成担当にメッセージが託されていた。「優勝するために、捕手の要である炭谷選手がどうしても欲しい」。3年総額6億円の提示を受けた模様で「熱い気持ちを伝えていただいた。これからいろいろ考えるが、今の段階では原監督からそう言っていただいたのは、うれしく思います」

24日、「今朝、ジャイアンツに連絡を入れさせていただきました。リーグが違うところで、いろんな経験が出来る。伝統のある球団。声をかけてもらって、行くことができる。やってやろうという思いです」と話した

【西武】

残留交渉を重ねたが23日、渡辺SDが「先ほど、炭谷選手と話しまして、FA権を使って他球団に移籍したいという話をもらいました。野球人として、もう1回、勝負したいという話でした。非常に残念です。うちとしても、なんとか残留して欲しかったですが、これもFA権なんで、本人の決断を尊重するしかない」と話した

巨人との交渉を終え心境を語るFA宣言中の炭谷(撮影・たえ見朱実)
巨人との交渉を終え心境を語るFA宣言中の炭谷(撮影・たえ見朱実)

西武浅村栄斗内野手(27)今季推定年俸2億1000万円、ランクB

20日、楽天入りを決断

【楽天】

18日、都内で石井GM、立花球団社長が初交渉。4年総額20億円以上の条件を提示したとみられる。さらに背番号「3」も用意。石井GMは「今いるプレーヤーの中でも、セカンドを守れて、打撃もすごくて、背中で引っ張れる選手はなかなかいない。いるだけで存在感があるし、これだけ歯車にガッチリかみ合う人はいない。うちが優勝するために大事なピース。こういうスペシャルな選手はなかなか出てこない」

20日、浅村から移籍の意思を伝えられる

21日、石井一久GMが浅村の獲得を発表。20日夜に「言葉で言い表せないくらい悩みましたけど、お世話になって勝負をしたいと思います」と連絡を受けたことを明かした。浅村の獲得で「戦力がすごく上がるのはもちろん、今後5年、10年と常勝軍団でいるために、浅村選手がプレーしている間に若手を2軍でじっくり育てることができる」

【ソフトバンク】

16日、関東地方で初交渉。4年総額28億円

20日、断りの連絡を受けたことを明かした。三笠球団統括本部本部長のもとに午後7時前に浅村の代理人から断りのメールが届いた。「今回は他球団でプレーする決断をしましたということだった。素晴らしい選手。結果は出なかったが、我々としては最大限の誠意を持ってオファーしたつもり。残念です」

【オリックス】

15日、長村球団本部長が代理人と連絡。「浅村君の代理人の方から、来週以降で調整します、という連絡がありました」と明かした。4年総額16億円と見られる条件と、自由契約になった中島が今季まで背負った1番、阪神移籍まで糸井が背負った7番を用意してアタックする。長村球団本部長は「うちに来てほしいという気持ちを誠心誠意伝えます」。

20日、浅村から断りの連絡。長村球団本部長は「今回は他の球団の方から選ばせていただきたいという断りがありました。十分なオファーをいただきまして誠意と熱意に感謝しますということだった」と説明。同本部長は「会ってからだと失礼という(浅村側の)配慮だと思う。意中の球団があるなら仕方がない。会って話をしたかったというのが本音」と厳しい表情で話し

【西武】

20日、浅村から断りの連絡。3年15億円で残留を要請。条件を4年20億円ほどに上積みしたとみられるが残留ならず。西武は楽天に人的補償を求めるかは、プロテクトリストを見て判断する

球団納会ゴルフ後、報道陣の質問に答える浅村(撮影・浅見桂子)
球団納会ゴルフ後、報道陣の質問に答える浅村(撮影・浅見桂子)

オリックス西勇輝投手(27)今季推定年俸1億2000万円、ランクB

12月7日、阪神入りを表明

【ソフトバンク】

15日、大阪市内で初交渉。複数年契約を提示

【阪神】

16日、大阪市内で初交渉。4年契約を用意。交渉した谷本球団副社長兼球団本部長は「会いました。すごく好青年でした。もっぱら野球観の話をさせていただいた。非常に野球観も近かった。先発投手に何を求めますかという話し合いをして、そこが見事に一致した」

24日、2度目の交渉。谷本球団副社長兼球団本部長らが出席し1時間。手応えについては「分からないですね」と慎重も「非常に悩んでくれているというのは事実でして。でも悩んでくれているというのは、こちらにとってはいいことかなと思っています。(争奪する他球団と)条件がだいぶ違うと、紙面上は拝見していますので」

【DeNA】

三原球団代表が16日、獲得に乗り出すかどうかについて「否定も肯定もしておりません」と話す

【オリックス】

宣言残留を認めている

22日、3度目の残留交渉。湊通夫球団社長が23日、京セラドーム大阪の球団事務所で取材に応じ、自ら出席したことを明かした。「契約の交渉をしていたわけじゃない。球団の考え方や今後に向かってどうやるかを伝えたかった。一緒に戦っていきたい気持ち、熱意を伝えさせてもらった」と力を込めた

12月7日、阪神と3度目の入団交渉を行い移籍を表明。背番号は16に決まった


西武中村剛也内野手(35)

11月8日、保有する海外FA権を行使した上で残留すると発表。「これからもライオンズのユニホームを着てプレーしたいという思いで、海外FA権を行使して残留することを決めました。ファンの応援を力に来季以降も1本でも多くホームランを打ちたいです。そして、今年達成できなかった日本一の喜びを必ずこのチームで味わいたいです」


権利行使しなかったFA有資格選手

【西武】

松井稼頭央外野手=43C→引退

秋山翔吾外野手=30A→残留

【ソフトバンク】

中田賢一投手=36C→残留

摂津正投手=36A→退団

五十嵐亮太投手=39B→退団

高谷裕亮捕手=36C→残留

内川聖一内野手=36A→残留

川島慶三内野手=35C→残留

明石健志内野手=32C→残留

本多雄一内野手=33B→引退

吉村裕基外野手=34C→退団

柳田悠岐外野手=30A→残留

城所龍磨外野手=33C→退団

長谷川勇也外野手=33B→残留

【日本ハム】

宮西尚生投手=33A行使せず残留

5日に左肘を手術。球団は2年総額5億円の条件で残留を要請し合意。「僕の腕が使えるまではファイターズの一員としてプレーしたい」

実松一成捕手=37C→残留

田中賢介内野手=37B→残留

中田翔内野手=29A行使せず残留

13日、札幌市内のホテルで記者会見し、今季取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使せず、残留することを表明。「球団からの『ぜひ残って欲しい』という言葉が心に刺さった。いろいろな人に背中に押してもらい、残留することを決めました」

矢野謙次外野手=38C→引退

【オリックス】

岸田護投手=37B→残留

金子千尋投手=34A→退団

球団から減額制限を大幅に超える5億円以上のダウン提示

28日に退団が決まった

山崎勝己捕手=36C→残留

中島宏之内野手=36A→退団

T-岡田外野手=30B→残留

【ロッテ】

大谷智久投手=33B→残留

唐川侑己投手=29B→残留

根元俊一内野手=35C→引退

福浦和也内野手=42C→残留

清田育宏外野手=32C→残留

角中勝也外野手=31A→権利行使せず残留

岡田幸文外野手=34C→引退

【楽天】

青山浩二投手=35C→残留

久保裕也投手=38C→残留

嶋基宏捕手=33B→残留

細川亨捕手=38C→退団

藤田一也内野手=36B→残留

渡辺直人内野手=38C→残留

聖沢諒外野手=33C→退団

【広島】

永川勝浩投手=37C→残留

石原慶幸捕手=39B→残留

小窪哲也内野手=33C→残留

新井貴浩内野手=41B→引退

赤松真人外野手=36C→残留

松山竜平外野手=33B行使せず残留

9日、国内FA権を行使せずに残留することを表明。「よく考えて悩んだ答えは、残留してまたカープでやらせてもらいたいということ。このチームがすごく好き。ここでやりたいという気持ちが一番。日本シリーズが終わって2、3日の間、家族とも先輩とも話して決めた」

天谷宗一郎外野手=34C→引退

【ヤクルト】

石川雅規投手=38B→残留

松岡健一投手=36C→引退

館山昌平投手=37B→残留

川端慎吾内野手=31A→残留

武内晋一内野手=34C→引退

畠山和洋内野手=36B→残留

三輪正義内野手=34C→残留

大松尚逸内野手=36C→退団

青木宣親外野手=36A→残留

雄平外野手=34B→残留

坂口智隆外野手=34B→残留

【巨人】

沢村拓一投手=30B→残留

杉内俊哉投手=38C→引退

吉川光夫投手=30C→残留

内海哲也投手=36C→残留

西村健太朗投手=33C→引退

山口鉄也投手=34B→引退

寺内崇幸内野手=35C→引退

坂本勇人内野手=29A→残留

阿部慎之助内野手=39B→残留

長野義久外野手=33B→残留

亀井善行外野手=36C→残留

【DeNA】

石川雄洋内野手=32C→残留

後藤武敏内野手=38C→引退

【中日】

岩瀬仁紀投手=43B→引退

谷元圭介投手=33B→残留

吉見一起投手=34B行使せず残留

山井大介投手=40B→残留

松坂大輔投手=38C→残留

荒木雅博内野手=41B→引退

堂上直倫内野手=30C→残留

藤井淳志外野手=37C→残留

平田良介外野手=30A→残留

大島洋平外野手=32A→残留

工藤隆人外野手=37C→引退

【阪神】

メッセンジャー投手=37→残留

上本博紀内野手=32C行使せず残留

鳥谷敬内野手=37A→残留

西岡剛内野手=34B→退団

福留孝介外野手=41A→残留

俊介外野手=31B→残留

※年齢右のABCはチーム内の年俸ランク(日刊スポーツ調べ)。A(1~3位)B(4~10位)は旧球団への補償が発生。Aは人的補償プラス年俸の50%または80%。Bは人的補償プラス年俸の40%または年俸の60%。Cは人的、金銭ともに不要