争奪戦ゴング! 広島からFA宣言した丸佳浩外野手(29)が19日、マツダスタジアム内で広島と交渉を行った。条件面での上積みはなかったものの、他球団との交渉を前に、プロ入りからプレーする広島との再交渉の場を設けた。丸にはすでに巨人とロッテが獲得の意思を表明しており、今後2球団との交渉も行われる。

いつもと同じようにマツダスタジアムに姿を見せた丸だったが、その格好はいつもと違った。ラフな服装ではなく、珍しくスーツに身を包んで球場入り。FA交渉解禁後初と言える正式な交渉相手は、11年プレーする広島だった。

トレーニングも含め、約6時間球場施設にこもったが「1時間くらい」鈴木球団本部長とひざを突き合わせた。FA権行使後も同球場でトレーニングを続けていただけに、球団との話し合いはあった。この日の正装は、丸の誠意の示し方。「お互いの日程を調整して。自分の中で残留も選択肢のひとつで(FA残留も)視野に入れながらの行使なので、しっかり球団と話を進めてからになる」。他球団との交渉を前に、広島球団と正式な話し合いの場を設けた。

巨人とロッテがすでに獲得の意思を表明し、丸の代理人にも連絡は届いていることを明かした。ロッテ井口監督が明言したように、交渉の席にそれぞれの監督が出馬する可能性もある。丸は「当然、監督が来られるのであれば、僕も出席したいと思います」と、獲得意思を表明した球団にも誠意を持って応えるつもりでいる。

巨人は5年契約で総額30億円超とみられる大型契約に加え、背番号「8」を用意。ロッテは4年20億円に「監督を含む幹部手形」と、ともに好条件を提示するとみられる。最大4年契約の出来高込みの17億円を提示したとみられる広島にとって、条件面で争うことは厳しい状況にある。この日の話し合いでも条件の上積みはなかったものの「うちの考えをあらためて話した」と鈴木球団本部長。書面や条件だけでは伝わらない広島の思い、特長を訴えた。

広島との話し合いを終え、今後は2球団との交渉を控える。交渉日は未定としながらも「突然決まるかもしれない」とした。丸争奪戦のゴングが鳴らされた。