出会う前にフラれた。オリックス長村裕之球団本部長(59)は19日、西武から国内FA権を行使した浅村栄斗内野手(28)から断りの連絡を受けたことを明かした。「今回は他の球団の方から選ばせていただきたいという断りがありました。交渉は打ち切りたいと思います」。獲得を目指していたが、この日の午前中に悲報が届いた。

オリックスはシーズン中から浅村がFA宣言した場合に備えて調査を開始。4年総額16億円の条件を準備した。背番号も、浅村が憧れる中島が背負った「1」や、糸井が着けていた「7」を用意。交渉の予定が決まれば、いつでも駆けつける構えだった。

雲行きが怪しくなったのはここ数日だ。ソフトバンクが16日にトップを切って浅村と交渉。18日には楽天が初交渉を終えた。満を持して大トリ交渉のはずだったが…。同本部長は「会ってからだと失礼という(浅村の)配慮だと思う。意中の球団があるなら仕方がない」と理解を示したが「会って話をしたかった」と本音もポロリ。課題の打力アップのためにFAのターゲットを浅村一本に絞ってきたが、今後は現有戦力の底上げに主眼を置くことになる。【桝井聡】