オリックス金子千尋投手(35)が、退団する可能性が出てきた。20日、大阪市内で球団側と3度目の交渉を行ったが、合意に達しなかった。今季で4年契約が終了し、来季は野球協約が定める減額制限(1億円超は40%)を超える5億円減の年俸1億円を提示されていることが判明。大減俸を受け入れるか、自由契約か二者択一を迫られている。

5日に球団事務所で行った交渉とは違って、報道陣を避けた「隠密交渉」だった。長村球団本部長は「結論というよりもこっちの思いを伝えたいと。条件のことは一切出ませんでした。この前にも提示している」と説明した。球団側から近日中の再交渉を申し出るなど粘り強く交渉する方針で、長村氏は「チームが上昇するために頑張っていこう、一緒にやろうという思いを伝えた」と話した。

来季の年俸が5億円ダウンとなれば、15年オフの巨人杉内の4億5000万円ダウンを超える最高額となる。今季はケガもあって4勝7敗、防御率3・87と苦しんだが、14年に沢村賞を受賞した通算120勝右腕の実績は十分。自由契約となれば、他球団も興味を示す可能性がありそうだ。