オリックス金子千尋投手(35)が21日、大阪市内の球団施設で取材に応じ、自由契約の可能性について、初めて言及した。今季の年俸6億円から、5億円減となる年俸1億円の提示を受けており、球団側と来季について、話し合いを重ねている。「年俸や年数、インセンティブ、そういうことに関して、一切、僕からはそういう話をしていない。そこでもめているみたいに話をされるのは嫌です」と条件闘争による対立は否定した。

今季は4勝に終わり、本来のパフォーマンスは見せられなかった。ベテランの域に差しかかり、チームは若返りを図っている。自らの居場所を自問自答することが増えたという。

「オリックスが好きだからこそ、今、新しくなろうとしているチームにいていいのか。いることによって、マイナスになることもあるんじゃないか。すごく自問自答というか、考えることが多くなった。今後、現役を続けていくことを考えても、そう長くないと思っている。今まではチーム第一に考えてやっていた。先のことをどうしても考えてしまう。今後、自分がどうしたいのか。自分の目標に一番近づける方法、環境、というのも、ちょっと考えてみようかな、という気持ちもあります。それはもちろん近道はオリックスかもしれないし、正直、それは分からない。そういうふうに考えた時に、自由契約を選択する可能性もあると思います。選択したからといって、球団側からも、残留というのも認めてもらったので、オリックスも考えています」

今後も話し合いを続ける予定だが、自由契約を要望する可能性を認めた。言葉を詰まらせ、目をうるませる場面もあった。悩めるエースがいかなる結論を出すのか。約30分に及ぶ激白は、苦悩に満ちていた。(金額は推定)