巨人は6日、今季までマリナーズに所属した岩隈久志投手(37)と来季契約を結ぶことで合意したと発表した。日米通算170勝の先発投手が、5年ぶり優勝を目指すチームに加わる。今オフはFA、自由契約などで大物選手が多数、動いた。12球団のパワーバランスは、どう変わるのか?

来季プロ20年目を迎える岩隈の新天地は名門巨人となった。マリナーズ退団後、7年過ごした米メジャー他球団の移籍も模索し、古巣楽天からもオファーを受けた。その最中で先月上旬に「心で動くタイプ。一番必要としてくれる球団で、プレーして恩返ししたい」と語っていた。日米170勝右腕の心をつかんだのが、原監督率いる巨人だった。

百戦錬磨の右腕が加わる。菅野、山口俊を両軸にメルセデス、田口、今村ら若き先発がそろう。17年9月の右肩手術から復活の道中にいるが、経験豊富な岩隈の存在は戦力であると同時に若手の教科書にもなる。

原監督との絆は固い。09年WBCで監督-エースとして世界一を達成。指揮官は「非常に強い味方が1人、チームに加わったという感想です。今まで培ったキャリアを胸張って、思いきってジャイアンツで戦ってもらいたい。私の中ではスターター1本で、チームの一員として戦ってもらいたい。いろんな意味で岩隈とは信頼関係があると自負しております」と期待を寄せた。FAで丸、炭谷を獲得し、WBCメンバーの中島、新外国人ビヤヌエバと続く大補強に岩隈の名が加わった。守護神候補の助っ人が補強できれば5年ぶりリーグ優勝への青写真が完成する。【広重竜太郎】

◆岩隈久志(いわくま・ひさし)1981年(昭56)4月12日、東京都東大和市生まれ。99年ドラフト5位で近鉄入団。05年から創設1年目の楽天に移籍。海外FA権を行使し12年にマリナーズ移籍。17年9月に右肩を手術し、今季はマイナー契約。190センチ、95キロ。右投げ右打ち。