首都大学リーグの日体大が9日、横浜市の同校で今年の練習納めを行った。4年生対3年生の壮行試合が行われ、ロッテのドラフト2位・東妻勇輔投手(4年=智弁和歌山)が逆転満塁弾でしめくくった。西武のドラフト1位・松本航投手(4年=明石商)らチームメートが、ダイヤモンド1周を終えた東妻を飛び跳ねて迎えた。

大団円のシーンを、来年のドラフト候補右腕コンビもしっかりと記憶した。北山比呂投手(3年=横浜)と吉田大喜投手(3年=大冠=おおかんむり)だ。北山は最速151キロ、吉田は同150キロ。ともに同155キロをマークした松本、東妻の先輩コンビに迫る勢いで、進化を続けている。

特に北山は成長著しい。横浜高校時代のエースは、1学年下の藤平(現楽天)。「自分は背番号18で、4番手でした」と振り返るが、この1~2年で一気に素質が開花。12月上旬の侍ジャパン大学代表候補強化合宿に招集され、力強い直球を評価された。同級生の猛追に、背番号18をつける吉田も「北山は一気に上がってきた。今の状態ではダメ、と思わせてくれる存在です」とライバルに刺激を受けている。

元から技術的な意見交換をする2人はこの師走、合宿所の風呂であらためて語り合った。「チームが優勝するために、自分の持っているものを隠すんじゃなくて、教え合おうと。技術も考え方も、僕にしかないものも、吉田にしかないものもある。そういうやりとりが増えれば、お互いの引き出しも増える」と北山。コンビの結束をさらに高め、最終学年を迎える。

北山は通算0勝、吉田も3勝。2人で通算44勝の先輩コンビと比べると、実績には乏しい。古城隆利監督も「松本と東妻が下級生から投げていたから、他の投手にチャンスが少なかったのはあります。吉田も北山も良いボールを投げている。あとは経験や、投手としてのチームへの責任感。そのあたりを学んでいってほしい」と期待する。3年生剛腕コンビの来春の目標は、ともに「リーグ戦で5勝」。達成した先に、将来の選択肢が広がる。