ソフトバンク甲斐拓也捕手(26)が来季、強肩「甲斐キャノン」だけでなくバットでも援護する。9日は福岡市内でふるさと納税サイト「さとふる」イベントのトークショーに登場。今季の打率2割1分3厘から来季「2割5分」への上積みを目標に挙げた。スタメン100試合以上の正捕手で2割5分以上となれば09年田上以来10年ぶりとなる。

福岡市の中心部、天神のド真ん中で、甲斐が二塁送球のフォームを見せる「エア甲斐キャノン」に大歓声が湧いた。日本シリーズでは広島が6度仕掛けた盗塁をすべて刺しMVP。ただ、野手で打点0、最低打率(1割4分3厘)での受賞は史上初だった。「来季は打って投手を助けたい」。思いはイベント出演で多忙な日々でも強まっている。

レギュラーシーズンでの打率も2割1分3厘。試合終盤で代打を出されることも多かった。打率については「最低ラインは2割5分。やらないといけない」と、はっきり目標を掲げた。16年に103試合に出場した鶴岡が打率2割5分1厘を記録しているが先発は67試合だった。先発100試合以上の正捕手で甲斐の「最低ライン」は09年の田上(2割5分1厘)を最後に出ていない。

甲斐が打てば打線はつながる。「三振が多いので減らしたい。ボール球を振ることが多く、簡単に三振しているケースも多い。もっといやらしい打撃をしないと」。そのためにも、このオフは自分の打席の映像も見直し、相手バッテリーの攻め方、狙いを分析している。

今季中も工藤監督からは、体の開きを注意され中堅右方向を狙って打つようにも指導された。来春キャンプまでにランニングやダッシュなどを増やし、瞬発系の筋肉を強化。どんな球にも食らいつける体に仕上げる。「練習して技術をつけるしかない」と振り込む覚悟だ。7本塁打のパンチ力に確実性がつけば、目標のフルイニング出場にも大きく近づく。【石橋隆雄】