巨人原辰徳監督(60)の野球殿堂入りを祝う会が10日、都内ホテルで行われた。球界のみならず、安倍晋三首相ら政財界のそうそうたるメンバーも出席して、祝福を受けた。

560人の出席者を前に原監督は「師走のお忙しい中、集まっていただいたことにその時々の影響を受けた先輩、同僚、全ての皆様がここに今日お集まりいただいたことを深く深く感謝、申し上げます」とあいさつをした。

また「私は野球が好きで父の影響というものを強く持って野球と出会うことができました。父の教えの中で『思うこと、信じること、そして挑戦だ』と、小さいときから常々言われておりました」と14年に他界した父・貢さんとのエピソードも披露した。

巨人入団を決めたドラフト当日の心境についても「私は小さい時、長嶋さん、王さんに憧れてジャイアンツに入りたいと、その夢を持ちました。そして中学、高校、大学という形で、さあ、いざドラフトと。長きにわたり私はジャイアンツを思い、大学4年生の時はジャイアンツも『ぜひ、原くん来てくれ』と、まさに相思相愛という形になりました。ドラフトがありました。しかし、信じること、思うことに私は不変でした。藤田監督が4人の代表者の中で燦然と輝いていました。ただ、3秒間ほど、自分でも、もしかしたら、藤田監督以外がくじを引いたら、その球団で野球をやるのかな、と思ったのが3秒でした。藤田監督の右腕が上がった時には『やっぱりな』と。小さい頃から思う信念ということはとても大事なんだと、ということを教えられたそういう入団だったと思います」と赤裸々に語った。

来季は4年ぶりに巨人の監督に復帰。自身3度目の監督就任は5年ぶりのリーグ優勝を目指す戦いになる。「このたび、山口オーナーより命が下りまして、ジャイアンツの監督をもう1度引き受けてくれと。多少私の中でも考えるところはありましたけど、私の帰るべきところは読売巨人軍であるということに対して、決断するものにおいて妨げるものはありませんでした。来季よりまた3度という形で監督をやりますけど、ジャイアンツのOBの人たちの代表として戦っていこうと思っております」と決意表明した。

 

◆主な出席者 安倍晋三(内閣総理大臣)、山下泰裕(東海大学副学長)、斉藤惇(プロ野球機構コミッショナー・野球殿堂博物館理事長)、渡辺恒雄(読売新聞グループ本社代表取締役主筆)、山口寿一(読売グループ本社代表取締役社長・巨人オーナー)、御手洗冨士夫(燦燦会会長・キヤノン代表取締役会長CEO)、大久保好男(日本テレビ社長)、甘利明(自民党選挙対策委員長)、小泉進次郎(自民党厚労部会長)、金田正一、権藤博、王貞治、張本勲、柴田勲、山本浩二、山田久志、堀内恒夫、中畑清、駒田徳広、与田剛、大久保博元、佐々木主浩、宮本慎也、小笠原道大、高橋由伸=敬称略、順不同