今回のテーマは「オリックス」です。私にとっては、最も気になっているチームです。

今オフ、金子が日本ハム、西が阪神に移籍しました。「オリックスの投手陣は大丈夫?」。ファンから心配の声が上がっています。

チームが大切に育てた2人です。痛いのは、痛い。でも、ここで私は、はっきり言っておきます。大丈夫。ピッチャーはなんとかなります。

この2年、私は宮崎市清武で行われている春季キャンプで、オリックスの臨時コーチを務めてきたので、それなりに力量も分かっているつもりです。

先発でいうと山岡もいます。山本の先発転向? 球種もあるからやれないことはない。でも、逆に8回にはまる人材がいるかどうかですね。

オリックスには、実績は乏しいが、育てがいのある、イキのいいピッチャーがいます。その若手が主力が抜けた状況をチャンスと思って取り組んでくれるかですよ。

今年は故障者が多すぎた。金子、田嶋、アルバース、ロメロ、T-岡田、中島、小谷野ら、投打にあれだけ離脱者がでては、福良監督も野球にならないです。選手層の薄さがもろにひびきました。

それでもチーム防御率3・69はリーグトップでした。「エース」と「4番」という意味では、打は吉田正を中心に、T-岡田が本来の力を発揮してほしい。

さて来季は西村新監督です。チーム事情も知っているし、度胸も座ってる。ロッテ監督として下克上で日本一を遂げた経験もある。ヘッドに就いた風岡コーチもキーになるでしょう。

球団も複数の外国人補強にでるだろう。内野手では新外国人メネセスを獲得したし、助っ人で、投手1人、打者1人がはまってくれれば戦える態勢ができる。

また、カギを握っているのは、キャッチャーの若月とみる。まだレギュラーをとったところまではいかないが、経験を積んだ。

ソフトバンク甲斐が脚光を集めたのは、キャッチングがうまいからです。ソフトバンクでは荒れ球のピッチャーが多いので、余計にうまくなる。阪神の梅野が伸びたのも捕球が上達したことが大きい。

捕手は守り。捕手出身の谷繁、古田にも聞いたけど、スローイングがいいのは、肩の強さもあるが、捕球がうまいからだ。フォームが小さくなって、スローイングも速くなる。

パ・リーグはレベルが高い。ソフトバンク、西武には簡単に追いつけないかもしれません。でも。投打に底上げができれば、オリックスは「台風の目」になりますよ。(日刊スポーツ評論家)