プロ野球の快記録や珍記録を振り返る「データで見る18年」第2回は楽天です。

2年目の田中が打率2割6分5厘、18本塁打、21盗塁で新人王を獲得した。両打ち野手の新人王は89年笘篠(ヤクルト)00年金城(横浜)に次いで3人目、パ・リーグでは初めてだ。1年目は51試合に出場し59打席で打率1割1分1厘、1本塁打。新人王の資格は前年まで60打席以内の規定があり、あと2打席多く立っていれば資格がなくなっていた。現在の規定となった76年以降、前年まで30打席以上あった野手の新人王は初めてだった。

8月1日オリックス戦では3回に右打席、8回に左打席で1発を放った。左右両打席本塁打は10年赤田(オリックス)以来18人目(41度目)で、日本人選手は7人目(16度目)。新人で両打席本塁打をやった選手はおらず、年少記録では3位も、年数では田中の2年目が最速だ。日本人の両打ち選手で18本塁打以上は5人、17度目だったが、内訳は右打席で7本(112打数)左打席で11本(311打数)。1本打つのに要した打数を示す本塁打率(打数÷本塁打)は左打席の28・27に対し、右打席は16・00。パンチ力は右打席の方があった。左打席で打った11本のうち5本が左翼方向、右打席で右翼方向も1本あり、両打席で流しても1発を打てるのが魅力だ。来季は20本、両打席2桁本塁打が目標になる。

まだ2年目、もちろん課題はある。1番打者にしては三振が多く、四球が少ない。田中の三振率(三振÷打席数)は2割1分7厘で、今季のパ・リーグ(規定打席以上)では3番目に高く、日本人選手では山川(西武)を抜き最も三振率の高い打者だった。今季、1番で80試合以上出場したのは6人いたが、三振率が2割以上、四球率(四球÷打席数)が1割未満は田中だけ。本塁打率は秋山(西武)や坂本勇(巨人)を上回り、パワーは十分。21盗塁と足も速い。三振減、四球増で、球界を代表する1番打者を目指したい。【伊藤友一】