日本ハム田中賢介内野手(37)が25日、来季限りで現役を引退することを明らかにした。札幌市内の球団事務所で契約更改交渉後の会見で明かした。

異例の引退前年での公表理由として「僕の気持ちは変わることはない。ある意味、周りがやりやすくなるかなと感じた。早く引退宣言をした方が、気を使わせなくて済むかなと自分なりに思ったので、今回早かったですけど、こういう発表になりました」と説明した。

来季限りでの引退を決断した理由は「(14年オフに)アメリカから帰ってくる時にも1度、引退するかどうか悩みました。昨年もそうでした。今年に限っては、本当にかなり悩みました。シーズンが終わってから家族とゆっくり過ごす中で、すごくすごく考えたんですけど、たくさんの方にお世話になったので感謝の気持ちを込めて1年間最後、恩返しができるようにやりたいと12月に入って決断しました。今までプロ野球選手としてやってきて、自分ができると思っていることと実際にできていることのギャップが少しずつ大きくなってきたことが一番。トータルで判断して、自分なりに来シーズンが最後でいいんじゃないかと思いました」と話した。

球団からは来季限りの現役引退を慰留されたが、考えは変わらなかった。「チームとは何回も話し合いを重ねました。チームとしてはまだやれるのではないかと言っていただきましたけど、僕の意思が固いということで。それなら、全力で送り出しますと言っていただいたので本当に感謝しています」と頭を下げた。

99年ドラフト2位で東福岡から入団。06年に1軍定着を果たし、チームの北海道移転後の初優勝に貢献。以降は正二塁手として活躍を続け、12年オフには海外フリーエージェント権を行使して米大リーグのジャイアンツへ移籍した。13年はジ軍でメジャーデビューし、15試合に出場。14年はレンジャーズへ移籍もメジャー昇格を果たせず、同年オフに日本ハムへ復帰した。16年は143試合にフル出場してリーグ制覇と日本一に貢献した。今季は67試合と出場機会は減ったが、規定打席未満ながら打率2割9分5厘をマークした。「数字がある程度、後半に残った」ことが来季を最後の1年とする理由の1つでもあった。

通算20年目の節目へ向けて「シンプルに日本一。それ以外は考えられない」と有終の美を飾ることを目標に掲げた。加えて、若手選手へ「僕に何ができるか分からないけど、できることをやるだけ。引退宣言したことで、若い選手も聞きやすいと思う。僕のことを使ってくれたら」と話した。