広島中村奨成捕手(19)が恩師からカツを入れられた。29日に母校広陵高で行われた野球教室に参加。「背筋が伸びますね」と表情を引き締めながら、野球少年と触れ合った。そんな中村奨に、待っていたのは厳しい言葉だ。再会した中井哲之監督(56)は教え子のルーキーイヤーを「心がまだ大人じゃない。考え方がぬるい。プロの世界は厳しい。自分の立ち位置が分かったと思うので、一層の努力をすると思う」と辛口で評した。

昨夏の甲子園で大会最多の6本塁打を記録し、準優勝に貢献。ドラフト1位で期待された1年目は1軍出場なく、2軍でも打率2割1厘、4本塁打、16打点に終わった。中村奨も「悔しさしかない。思うように結果を残せなかった。結果を残せないと1軍にも上がれない」と険しい表情を見せた。オフは肉体強化に重点を置く。目標の体重85キロまであと3キロ。自主的に遺伝子検査を受け「太りにくい」などの体質と向き合いながら肉体改造を目指す。

年明けは元日から始動する。「動かないと動けなくなる。1軍に上がれば視野も変わるし、考え方も変わると思う。まずは1軍に上がりたい」。恩師からも「死に物狂いでやると言っていたので、死に物狂いでやれと言いたい」と激励を受けた。プロの道を切り開いた地で、決意を新たにした。【前原淳】