「出た出たデータマン」と題し、18年の阪神をデータで読み解き、19年シーズンを展望します。

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ナバーロは19年、チーム58年ぶりの快記録に挑む。18年6月に阪神で日本球界デビューし、2年目の契約を勝ち取った。NPB他球団を経ずに阪神へ途中入団した外国人野手が翌年も残留するのは、15~16年ペレス以来。ペレスは、2年目には1軍の出番がないまま退団した。19年にナバーロが1軍戦に出場すれば、61年ソロムコ以来となる。

ソロムコは60年開幕直後の4月7日、阪神の支配下選手として公示された。日系人ではない、カタカナ名前では球団初の外国人助っ人だ。米軍基地に勤務していたが、阪神にテスト入団。61年21本塁打、63年22本塁打はいずれもチーム最多だ。後年は東京(現ロッテ)に移り、NPB6年で95本塁打を放った。日本人女性と結婚し、引退後も帰国せず事業を興した。球界のみならず、日本社会にとけ込んだことで知られる。

18年のナバーロは、日本球界に慣れた9月に打率3割5分3厘。同月60打席以上に立ったセ打者中7位の好成績だった。シーズン通算66試合で25打点は、傑出した数字とは言い難い。それでも打点を挙げた19試合で阪神は13勝6敗、勝率6割8分4厘の好成績だった。18年25打点以上をマークした阪神打者の中では、中谷の8割6分7厘に次ぎ2位。19年もチームに白星をもたらす打点を重ね、息の長い活躍を頼みたい。19年の阪神は3月29日、京セラドーム大阪でヤクルトと開幕戦を行う。18年打率4割4分4厘と相性のよかった球場は、58年ぶりの快挙にふさわしい舞台となりそうだ。【記録室・高野勲】