日本ハムのドラフト1位吉田輝星投手(18=金足農)がエンゼルス大谷翔平投手(24)と初対面し、感激した。11日、都内で行われた「テレビ朝日ビッグスポーツ賞」の授賞式に出席。控室でチームOBの大先輩とあいさつを交わし、体の大きさに仰天。壇上では記念撮影を行った。同式の前には「NPB新人選手研修会」に参加。人生初のネクタイ姿で劇的な1日を過ごした。

吉田輝は思わず、先輩の立派な肉体に見とれた。授賞式の控室で大谷と初対面が実現した。「体が大きくて、すごかったです」。身長175センチの吉田輝星は見上げるように、同193センチの大谷とあいさつを交わした後、ダークスーツの下で、はじけんばかりの屈強な体つきに目を奪われた。壇上では大谷の左隣に立ち、記念撮影。やや緊張した面持ちながら、公の場では初めての共演も実現。「一流というのはすごいなと思いました」とあらためてスケールの大きさを肌感覚で味わった。

午前中から刺激的だった。朝は「NPB新人選手研修会」に出席するため、大谷から引き継いだ勇翔寮の404号室で、人生で初めてネクタイを締めた。締め方は動画サイトの「YouTube」で検索。動画を見ながら「一発でできました」と野球以外でも勘の良さを発揮。球団支給の濃紺スーツと青白ストライプのネクタイを着用し、バッチリと決めた。12日に迎える18歳の誕生日を前に、大人の階段を1歩上った。「自由なときは(金足農カラーの)紫をつけたいなという思いはあります」としゃれっ気ものぞかせた。

研修会前には野球殿堂博物館を訪問した。展示されている数多くの記念品の中で、目を奪われたのは「やっぱ大谷さんのユニホームです」とここでも大谷にくぎ付け。見学後には同館で開催中の「野球報道写真展2018」で、自身の写真パネルが展示中で記念に名前を書き入れた。

研修会では、昨夏の高校日本代表でチームメートだった中日根尾やロッテ藤原らとも再会した。特に甲子園決勝で本塁打を浴びた根尾と久しぶりに会話を交わすと、昨夏の悔しさもフラッシュバック。プロでのリベンジの思いは「すごい強いです。たくさん勉強して、完璧に打ち取れるようにしていきたいと思います」。リーグが違うため、交流戦か日本シリーズで対戦の可能性がある。この日、目指すべき姿を示してくれた大谷のように着実に実力を伸ばし、再燃した根尾への思いも、いつか必ず実現させる。

◆吉田輝星が天然ぶりを見せた。野球殿堂博物館の担当者から「自身が写った写真パネルに名前をお願いします」と言われた。輝星の星の部分に★マークの入ったサインを書き入れるかと思いきや、楷書で名前を書き入れた。「結構指定があったんで久しぶりに漢字で書きました」と笑いを誘った。