打倒ふなっしー指令が出た!? 日本ハムのドラフト1位、吉田輝星投手(18=金足農)が13日、2軍本拠地がある千葉・鎌ケ谷の清水聖士(きよし)市長(58)から熱い激励を受けた。同市は梨の名産地。2019年新入団選手歓迎式典に出席した同市長は、秋田在住で梨農家の吉田輝の祖父理正(りしょう)さん(71)が栽培する梨を取り寄せ「輝星」という名の梨生産プランを披露した。隣接する船橋市で同じ梨をPRする非公認ゆるキャラ「ふなっしー」に負けない鎌ケ谷PRの大命を託された。

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清水市長から梨を手渡された吉田輝は「ありがとうございます」とほほえんだ。「梨は好きです。じいさんも梨をやっていて、自分も農業高校出身。すごいうれしいです」。祖父理正さんは梨農家。昨年は「第141回県種苗交換会」に出品した梨の品種「かほり」が県知事賞を受賞した。毎年、秋になると実家に届く祖父の梨は「絶品ですね」。右腕が大好きな一品に目を付けた同市長は、温めていたプランをぶち上げた。 清水市長 おじいさんの梨は秋田県知事賞ですよね。目に見えないつながりを感じる。今度、おじいさんが作った梨を、なんとか鎌ケ谷に持ってきて「輝星」梨をつくって売り出したいですね。

同市では「幸水」や「豊水」の生産が盛んだが、第3の品種として新ブランド「輝星」と名付けた梨の生産をもくろむ。

大きな野望も託された。同市長は「ふなっしーに負けないようなPRを期待したいですね」と続けた。隣接する船橋市の特産も梨。PRする非公認ゆるキャラ、ふなっしーの勢いには、じくじたる思いがあった。「苦々しく思っていました。下火になってきたので、早くいなくなってくれれば…」と「打倒! ふなっしー」指令まで受けた。

吉田輝は冷静に熱い思いを受け止めた。「とりあえずは野球に集中したいです(笑い)。とりあえず活躍して大スターになって、それからですね」と苦笑いしながら“快諾”した。

この日の2軍施設には約2500人のファンが集結。イベントを生中継した球団の有料動画サイトは、新規加入が1日で161件にも上った。昨年の同イベント実施日の申し込みは4件で、秋田からの入会が50件と注目度はやはり高い。集まったファンに「投手なので沢村賞を取りたいです」と誓った吉田輝。公言した大目標を達成した時、ふなっしーも倒す日が来るかもしれない? 【木下大輔】

▼梨の収穫量は47都道府県で千葉が最多3万1700トンで12・8%を占めている。2位茨城2万6300トン(10・6%)3位栃木2万700トン(8・4%)と続き、秋田は3380トン(1・4%)で18位。※データは農林水産省15年統計による。