ソフトバンク中村晃外野手(29)が14日、長崎市での自主トレを公開した。今年11月で30歳になるスラッガーは143試合フル出場に加え、4年ぶりとなる打率3割、自己最多の20本塁打を目標に掲げた。

背中から湯気が立ちのぼった。午前8時40分からビッグNスタジアムのグラウンドを20分間、走り続けた。休む間もなく各種のランニングメニューが続く。「いかに地味な練習をしっかりやるか。そこが大事」。体幹メニュー、ノックをこなすと休憩もなくバットを振った。「ここ3年は3割打ってないし、そこを目標にしたい。ホームランも昨年(14本塁打)より増やしたい」。フリー打撃では両翼99・1メートルのサク越えを連発してみせた。

昨年暮れ、球団と4年契約を結んだ。年俸2億4000万円からインセンティブを加算する「変動制」で、着実に成績を積み重ねれば4年後には4億5000万円にもなるビッグ契約だ。手にする金額には無頓着だが、高額年俸選手として自らにかかる責任は痛感している。「契約がどうのとか考えていないけど、とにかく全試合に出ないと。それが一番」。広角に打ち分ける打撃に加え、一昨年からパワーも養ってきた。本拠地ヤフオクドームでも自らがカウントするのはテラス席への打球ではなく、スタンドへ届く放物線だ。「僕のホームランはほとんどスタンドですから」。釜元、育成田城、そしてロッテ2年目の菅野を引き連れてシーズンへ向けて爪を研ぐ。「若い選手がいることで自分がしっかりやらないといけない」。平成元年生まれの男は、新時代もチームをけん引するつもりだ。【佐竹英治】