阪神藤川球児投手(38)が人的補償に物申した。15日に沖縄・宜野座村で自主トレを公開。長野が人的補償で広島に移籍したことに触れ、名称変更やFA制度そのものの見直しなど問題提起した。松坂世代の右腕は守護神復帰を目指し、野球界の発展にも思いを巡らせた。

  ◇    ◇    ◇

気温20度を超える沖縄で自主トレを行う藤川が、問題を提起した。丸が巨人にFA移籍し、長野が人的補償で広島に移籍。一連の動きにまずは自身の感想を明かした。「ジャイアンツから長野が広島に行ったからね。いい意味で広島に刺激が入った。嫌だね、実際は」。広島を警戒しつつ、スイッチが入った。FA制度と人的補償。現行の仕組みに疑問を投げかけた。

「トレードのようにしか感じないね。もう、人的補償とかじゃない。名前を変えるとか? どうしても一般的に受けが悪いから。人的補償って言うと。名前さえ変われば、魅力のあることだったんだと思える」

結果的にライバルチームの主力選手が入れ替わった。人的補償での移籍について「プロテクトは28人で、あと40人くらいの中からドラフトをするわけでしょ? ものすごくいい選手とれるよ」と話す。続けて「(対戦が)楽しみ。プロ野球界を見て『これだけの選手が成長してきたんだ』という2人が移籍した。両方ともうまくいってほしいと思うね」とエールも送った。

さらに提言は続く。「FAの権利も、内容を変えていく時期に入ってきているんじゃないかな」。阪神ではオフに西をFAで獲得。代わって若手の期待株であった竹安がオリックスに移った。「もし、メディアの方たちが書いていくと、面白くなると思う。『ルールを変えた方が良いんじゃないですか』と。メディアの方から動かしていくと、ものすごく良くなると思う」とメディアを含めた活発な議論を望んだ。

「もっと自分たちで、球界がよくなっていくことを考えていきたい」松坂世代の38歳。今季は守護神復帰への期待もかかる。自身の未来を見つめながら、藤川が球界の発展も願った。【真柴健】