阪神矢野燿大監督(50)が22日、都内で行われた12球団監督会議に初出席し、武者震いした。広島緒方監督や巨人原監督ら、12球団の指揮官が一堂に会し「いよいよ、という感じ」と気合を入れ直した。昨季は微妙な判定で再三、日本野球機構(NPB)に意見書を提出するなど、すっきりしないシーズンだった。今季のリクエスト制度運用拡大など、新ルールを再確認。“悪夢”も忘れ、今年の戦いに挑む。

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精かんな表情が一層、引き締まった。ライバル11球団の指揮官が都内のホテルに集結。その場で質問したか問われた矢野監督はまずは「新入生やし。(チームスローガンの)『ぶち破る』ネタがなかった」と爆笑を誘った。

NPBからリクエスト制度の運用拡大など新ルールについて通達があった。他球団の監督から質問はなかったという。それでも、宿敵がそろい、武者震いしないはずがない。

「まあ、始まるなと。いよいよという感じもある。そういう高ぶりと、ちょっとした緊張感が出てきている。前に進んできている感じはするね」

1時間少々の会議では矢野新体制を“後押し”するルールの見直しが確認された。谷本球団副社長兼球団本部長も「去年あったことは2度と起こりえないと認識しています。新しい年、新しいシーズンを迎える。去年のスッキリしなかったところはキレイに整理していただいた」とうなずく。

昨季は微妙な判定が相次ぎ、再三、NPBに意見書を提出する事態になった。6月29日のヤクルト戦(神宮)は遊撃北條のタッチを相手走者が走路を大きく外れてかわしたプレーにセーフ判定。抗議も覆らなかった。後に“誤審”を認める回答書が届いていたが、後味の悪さは残っていた。同副社長はこの日「走路を外れたときは(アウト判定を)取りましょう」という審判団の認識を再確認した。

8月19日の同カードでは、岩田の投球が危険球と判定されたが打者青木の頭部に当たったか微妙だった。リクエストによるリプレー検証が認められず、釈然としないまま敗戦。この黒星からヤクルト戦10連敗。17年ぶり最下位に転落する悪夢になった。同副社長は「(審判団が映像を)キチンと見に行きましょうとなった。死球かどうか。当たっていないと判断したら『危険球』と言っていても取り消しますと、はっきり説明いただいた」。悲劇よ、サラバ…。新ルールのもと、キレイに白星を積み重ねたい。【酒井俊作】

 

○…阪神は審判団に“グレーゾーン”の判定に関する考え方を確認した。昨年9月24日巨人戦(甲子園)でも阿部の打球を捕った一塁ナバーロのプレーでも意見書を出していた。当初はノーバウンド捕球と判断した橘高一塁塁審がアウトの判定を下したが、審判団が協議し、ショートバウンドでの捕球とされ、セーフに覆っていた。この日、谷本副社長は「あれもリプレー検証の対象ではないですが、今季以降は明らかに(ジャッジが)間違いだという確証を審判団が協議して確認できなければ(判定を)変えないと決めていただいている」と言及した。