稲葉監督、東京五輪の4番狙います! 広島鈴木誠也外野手(24)が6日、宮崎・日南キャンプで侍ジャパン稲葉篤紀監督(46)の訪問を受け、日本の4番として期待された。激励に応え、誰もが認める成績を残した上で重責を引き受ける覚悟を表明。3月9、10日のメキシコ戦で招集されるかは微妙だが、秋以降は侍を引っ張る覚悟だ。ランチ特打を行うなど、精力的に調整を進めていた。

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鈴木が侍ジャパン稲葉監督の期待を、正面から受け止めた。東京五輪の4番として自分に期待していることを伝え聞いた。「うれしいです。ほかにも(DeNA)筒香さんであったり、4番でもっと活躍している選手がたくさんいるので、その人たちに負けないように成績を出して、みんなに認めてもらって4番を打ちたい」。迷わず言った。

稲葉監督はこの日、侍ジャパンの建山、井端コーチとともに日南キャンプを視察。「誠也に関しては、今年成績が残ればこの秋(プレミア12)、オリンピックで期待しているよという話をした」と語った。さらに「4番はチームを勝たせるというポジションだと思うので、そういうところで期待はしたい」と踏み込んだ。この発言に対し、鈴木は逃げなかった。

鈴木にとって世界の強豪と戦うことは喜び以外の何ものでもない。17年3月のWBCで侍のユニホームに袖を通した。米国に敗退した準決勝は欠場。それでも「アメリカであったりドミニカ(共和国)であったり、プエルトリコであったり、メジャーの選手が多かったので楽しかった」と振り返る。あの興奮をまた、味わいたい。

今度は自分がチームを引っ張る。「次はしっかり試合に出て結果を出したい。スタメンで出られるようにしたいなと。ああいう緊張感でやるのが楽しい。オリンピックは出たいと思います。ああいうすごい選手といっしょにやると意識的にも変わるし、もっとがんばらないとと思う」。

昨年11月に右足首を固定していたボルトを抜いた影響で、キャンプは別メニュー。とはいえ、実は誰よりバットを振っている。この日もランチ特打で豪快に振り回した。この心意気が4番の証し。3月9、10日の強化試合メキシコ戦に招集されるかは微妙だが、来年の五輪で主軸を打つ覚悟はできている。【村野森】

◆3月9、10日にメキシコ戦を控える稲葉監督は、広島の選手について語った。西川には「代打もできるし、足もある。後ろ(後半)でというところは考えるが、この1年レギュラーをとれば考え方も変わってくる」。捕手の坂倉は「成長しているのは感じている」。大瀬良については「ジャパンでもという思いを持ってくれているので期待したい」と話した。