期待の主砲が、花丸デビューを飾った。巨人丸佳浩外野手(29)が、移籍後初の実戦となる紅白戦で2安打2打点と活躍した。2打席目に今村から右前適時打を放ち、5打席目には大竹から中前適時打をマーク。古巣・広島田中広の弟の1番田中俊、2番亀井との「タナカメマル」で計6安打を放ち、10得点の猛打を呼び込んだ。

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冷静に守備位置や状況を判断し、フルスイングした。1点リードの3回1死三塁、丸は痛烈なゴロを放ち、二塁手・吉川大の横を破る適時打をマークした。「ランナーが三塁でしたし、何とか食らいついていこうと。とりあえず、前に飛ばそうと思った」。フルカウントからの外寄りスライダーを合わせ、自身初実戦で初安打初打点を挙げた。

5打席目も、自身が理想に掲げる「センターから逆方向への意識」を貫いた。5点リードの8回1死一、二塁、大竹の外角直球をフルスイング。テレビ画面に打球速度「159キロ」と表示される痛烈な打球で中前にはじき返した。「まだ確率を上げないといけないですが、結果が出て、ホッとしている部分はあります」と息を吐いた。

「タナカメマル」でダイヤモンドをにぎわせ、紅組を大量10得点に導いた。3、8回の適時打は昨年までコンビを組んだ広島田中広の弟の1番田中俊が出塁し、2番亀井が進塁させた後の一打。原監督の構想の中では「2番・丸」も1つのプランだが、広島時代の定位置だった3番でこの日は勝負強さを証明した。

原監督は丸の加入によるチームの変化を感じた。「彼がペースに合わせるのではなく、彼流のものをね。選手たちはそれに影響を受け、1つの形として見えるのは全員がフルスイングを意識している。生きた標本、お手本になっている」と称賛した。紅白戦後にはみっちりと特打。かつて、日本ハムからFA移籍した小笠原(中日2軍監督)のように、巨人に新たな風を吹き込む。【久保賢吾】