野球人生、決着は自分でつける。阪神鳥谷敬内野手(37)が沖縄・宜野座キャンプ休日の13日、遊撃再挑戦の裏にある覚悟を赤裸々に激白した。5年契約最終年となる19年は、間違いなく進退を懸けた1年になる。「白黒はっきりつけたい」-。勝負の1年、退路を断って己との戦いに身を投じる。【取材・構成=佐井陽介】

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日刊スポーツ読者の皆さん、鳥谷です。去年はふがいない1年を過ごした中、それでも温かく応援していただき、本当にありがとうございました。今年も変わらぬご声援のほど、よろしくお願いします!

宜野座キャンプではショートに再挑戦しています。1年目の04年から16年まで守り続けた場所なので、やっぱり一番動きやすい。自分にとっては、もうちょっとこういうふうに守りたいなとか、前向きな考えが生まれやすいポジションです。

ショートは激しい運動量が求められるポジション。38歳シーズンで戻ることに「怖さがないの?」と心配してくれる人もいますが、できないと思えばそこで終わり。もっとも勝負できるポジションがどこなのか考えた結果、ショートに再挑戦しようと決めました。

ここ数年は二塁や三塁も守りました。ただ、正直に言うと、体の使い方だったり、送球にしても投げづらいところで無理をして投げて肩の状態を悪くしたり、自分の中で動きやすさはなかった。そういう意味では、他のポジションよりもまずはショートで勝負したかった。そこで勝ち負けがつけば、また自分で考えればいいと思っています。

違うポジションに移った時は、まだショートをできると感じている中でのコンバートでした。そういう意味では守りたくても守ることができなくなっていたポジション。そこでもう1回、自分の力はどれぐらいなのかを、自分でしっかり把握したいんです。

もう残り何年もプレーできるわけじゃない。最後はやれるだけのことをやって、納得した形で白黒はっきりつけたいんです。せっかくこれだけ野球を長いことやらせてもらってきた。最後ぐらい自分で自分の力を見極めたいんです。

ここ数年は、ダメだったら辞めないといけない、という覚悟を持ってプレーしてきました。プロ野球選手は毎年、それが当たり前だと思っているので。そういう考えでやってきて、今年は5年契約の最終年。年齢的にも立場的にも、より強く進退を考えないといけないタイミングに来ているなとは思います。

ただ、ダメだったから辞めるわけではないし、良かったから続けるわけでもない。いい成績を収めることができたら、納得して辞めるかもしれない。正直そこらへんの感覚はまだ分からないけれど、大前提として、自分で続けるのか辞めるのかを考えられるだけでも幸せだと思っています。

38歳になるシーズンで、勝負に勝てばポジションを取れるかもしれない状況が、まずありがたい。幸せなんです。「楽しむ」という表現が正しいのかどうかは分からないけれど、常に前向きになれやすい立場にいるので、悔いのないように頑張りたいと思っています。