ソフトバンクのドラフト3位野村大樹内野手(18=早実)が、実戦での強さを発揮している。ここまでB組の紅白戦2試合、社会人セガサミーとの練習試合の通算で11打数6安打、打率5割4分5厘と安打を量産中だ。「出てこい若鷹」第2回は、将来の中軸として期待される高卒ルーキーの今と未来にスポットを当てた。

   ◇   ◇   ◇

早実時代に日本ハム清宮と3、4番を組んでいた野村が、さっそく実戦に強いところを見せつけている。プロ初実戦となる14日のB組紅白戦では5番三塁で出場。初回1死三塁でまわってきた“プロ初打席”で左前に落とす適時打を放つなど4打数1安打、翌15日の紅白戦は3打数1安打、17日の社会人セガサミー戦では4打数4安打の固め打ち。3試合で11打数6安打を記録した。

「球は見えています。結果は自分が思った以上に出ている。きれいなヒットは4本くらいだけど、しっかり振っているからこそ外野の前に打球が落ちる。運も味方してくれている」とうれしそうに話す。この積極性こそ首脳陣が高く評価するポイントだ。藤本3軍監督は「クセがない。詰まった安打も思い切り振っているから。1球1球練習から考えて打っている。キャンプ初日に比べたらフリー打撃の打球もだいぶ強くなっている」とわずか3週間弱での成長に目を細めた。

キャンプではロッテ藤原、中日根尾ら同じ高卒ルーキーが話題の中心になっている。「打撃では絶対に負けない。チーム事情が違う。日本一のチーム。出るのは簡単じゃない。1軍で早く試してみたい気持ちはあるが、今が勝負じゃない」と、惑わされない。

森ヘッドコーチも「いい結果を出しているという報告は聞いている。だからといってA組に上げることはない。大事に育てる」と今季はじっくり下で経験を積ませる考えだ。藤本3軍監督は「3軍も90試合くらいあるからね」と、チャンスを与える。大物の予感漂う野村の成長が楽しみだ。【石橋隆雄】

◆野村大樹(のむら・だいじゅ)2000年(平12)9月10日生まれ。兵庫県出身。同志社中では大阪福島シニアに所属。2年までは主に三塁手で、全国大会3位を経験。3年からは捕手も務め、U15(15歳以下)日本代表。早実では1年春からレギュラー。三塁手から捕手に転向し、3年で再び三塁に戻る。高校通算68本塁打。172センチ、81キロ、右投げ右打ち。