持ち味の強肩を見せつけた。日本ハムのドラフト6位田宮裕涼(ゆあ)捕手(18=成田)が、DeNAとのオープン戦で鮮烈な本拠地デビューを果たした。

7回の守備から途中出場。8回無死一塁で、代走宮本の二盗を矢のような送球で刺した。「絶対刺そうと思って待っていました。自分のできる限りのことはやったと思います」。自慢の“ユアキャノン”を、地元ファンへ印象づけた。

魅力はなんといっても肩。一般的に1・9秒~1・95で速いと言われる二塁までの送球タイムは、高校時代に最速1・8秒台を記録。キャンプ中の紅白戦前のシートノックでは、鶴岡、石川亮らとともに行った二塁送球練習で、ただひとりストライクを披露してスタンドから異例の拍手がわき起こったほどだ。

この日も、左打者の内角へ外れたボール球を捕球してからの難しい体勢だったが、素早い身のこなしを見せた。走者の宮本は俊足が売り。新人だった昨年も4盗塁をマークしているだけに、価値があった。刺殺した際の記念ボールは手元に届けられ「うれしいです。部屋に飾ります」と満面の笑みを見せた。

プロになった実感も沸いた。17年にセ・リーグ首位打者に輝いた宮崎をはじめ、1軍の打者相手にマスクを被った。「テレビで見ていた人たちが打席に立って、本当にプロ野球選手になったんだなと思いました」と、興奮を隠せなかった。「投手に信頼されるような捕手になりたい。キャッチングであったりいろんなことを磨いていきたい」。この経験を財産に腕を磨き、公式戦で再び本拠地へ戻る。【山崎純一】